韓国政府、北朝鮮選手団へのスマホ提供に関する公式見解を説明

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韓国政府は第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)における朝鮮民主主義人民共和国の選手団に対する韓国のSamsung Electronics (サムスン電子)製のスマートフォンの提供に関して公式見解を説明した。

Samsung Electronicsは第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)でワールドワイドパートナーを務め、出場選手にはGalaxy Z Flip6の特別仕様版となるGalaxy Z Flip6 Olympic Editionを譲渡しているが、韓国の主要な報道機関が朝鮮民主主義人民共和国の選手団に対するGalaxy Z Flip6 Olympic Editionの譲渡で発生する問題を報じて話題となっている。

韓国の政府機関である外交部(Ministry of Foreign Affairs：MOFA)が開催した代弁人定例ブリーフィングでも話題に上がり、記者の質問に回答する形式で韓国政府として公式見解を表明することになった。

外交部は国際連合安全保障理事会決議第2397号によって朝鮮民主主義人民共和国に対するすべての工業機械類の直接もしくは間接の供給、販売、移転を禁止しており、スマートフォンは国際連合安全保障理事会決議第2397号上の禁輸品に該当すると明確化したうえで、朝鮮民主主義人民共和国に禁輸品が持ち込まれないことが重要と認識を示した。

韓国政府として国際連合安全保障理事会決議に基づく制裁措置が徹底的に履行されるよう国際社会と協調して必要な外交的努力を継続するという。

国際連合安全保障理事会決議第2397号では朝鮮民主主義人民共和国から国際連合(United Nations：UN)の加盟国もしくは国際連合の加盟国から朝鮮民主主義人民共和国にすべての工業機械類の直接もしくは間接の供給、販売、移転を禁止しており、工業機械類には電気機器、電気機器には携帯回線網用その他の無線回線網用の電話や基地局が含まれる。

携帯回線網用その他の無線回線網用の電話にはスマートフォンなどの携帯電話を含むため、国際連合安全保障理事会決議第2397号に基づき朝鮮民主主義人民共和国から国際連合の加盟国もしくは国際連合の加盟国から朝鮮民主主義人民共和国には携帯電話や基地局を持ち込めないことになる。

国際連合安全保障理事会決議はすべての国際連合の加盟国に履行を義務付けているため、韓国法人のSamsung Electronicsが国際連合安全保障理事会決議に基づく制裁措置を遵守するよう韓国政府が関係機関と協力している模様である。

国際オリンピック委員会(International Olympic Committee：IOC)は朝鮮民主主義人民共和国の選手団には帰国時に返却する条件でGalaxy Z Flip6 Olympic Editionの貸与を提案したが、朝鮮民主主義人民共和国の選手団は受け取りを拒否した模様で、受け取りの拒否が事実であれば国際連合安全保障理事会決議に基づく制裁措置への違反が発生することはない。

朝鮮民主主義人民共和国では韓国の製品やインターネットの利用を制限しているため、朝鮮民主主義人民共和国の選手団がGalaxy Z Flip6 Olympic Editionを受け取れば朝鮮民主主義人民共和国側にとっても都合はよくないと考えられる。