欧州委員会が英国の携帯電話事業者ThreeとO2の統合を禁止
- 2016年05月12日
- 海外携帯電話
欧州連合 (European Union:EU)の執行機関である欧州委員会 (European Commission:EC)は英国の移動体通信事業者であるHutchison 3G UKとTelefonica UKの統合を禁止する決定を下した。
Hutchison 3G UKは香港特別行政区を拠点とするCK Hutchison Holdings (長江和記実業)の傘下で、英国ではブランド名をThreeまたは3として移動体通信事業を展開している。
Telefonica UKはスペインを拠点とするTelefonicaの傘下で、英国ではO2をブランド名として移動体通信事業を手掛けている。
CK Hutchison Holdings (長江和記実業)はTelefonica UKを買収し、Hutchison 3G UKとTelefonica UKを統合する計画を示しており、この計画はCK Hutchison HoldingsとTelefonicaの間で合意していた。
しかし、欧州委員会は競争上の懸念を表明し、Hutchison 3G UKとTelefonica UKの統合案を却下した。
具体的な懸念事項も挙げており、2016年5月時点で英国において移動体通信事業者(MNO)として展開する携帯電話事業者はBritish Telecommunications傘下のEE、Vodafone、そしてHutchison 3G UKおよびTelefonica UKの4社であり、Hutchison 3G UKとTelefonica UKが統合すれば3社に減少となり、選択肢が少なくなることや料金の値上げなど消費者の不利益が予想できると懸念している。
また、競争環境が衰退化することでモバイルネットワークへの投資を妨げ、英国の移動体通信業界の発展を阻害することも想定できるという。
携帯電話事業者が少なくなることで、仮想移動体通信事業者(MVNO)に対して携帯電話事業者が強気な卸売価格を提示する可能性も懸念点に含まれている。
CK Hutchison HoldingsはHutchison 3G UKとTelefonica UKの統合後、5年間は値上げしないことや大規模な投資を継続することを説明していたが、欧州委員会を納得させるまでには至らなかったようである。
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