中国・大連の中国聯通、日本統治時代の歴史的な建築物を使用
- 2017年12月28日
- Report
中国の遼寧半島に位置する遼寧省大連市を訪問した。
大連市内には日本統治時代に建設された多くの建築物が残されており、それらは今もなお銀行や宿泊施設など様々な業務で使用されている。
電気通信分野では中国の携帯電話事業者「China United Network Communications (中国聯合網絡通信:以下、China Unicom)」の大連市分公司が一部の営業庁で日本統治時代に建設された建築物を使用しているので紹介する。
大連市中山区に位置するChina Unicomの勝利橋営業庁(SHENGLIQIAO SERVICE HALL)は旧大連中央郵便局の建物に入っている。
旧大連中央郵便局の建物は日本統治時代の1929年に完成しており、満洲国の建国やソビエト連邦の侵攻を経て、1946年に大連市人民政府へ引き渡された。
2002年には大連市人民政府によって大連市重点保護建築の指定を受けている。
歴史文化財として保護の対象に指定されているが、China Unicomの営業庁として使われているため、誰もが自由に訪問できる。
大連市重点保護建築の指定を受けた建築物だけに、内装も最大限に維持されている模様で、ほかのChina Unicomの営業庁とは異なる雰囲気を感じた。
風格のある内装に今の中国の携帯電話市場を象徴するようなGuangdong OPPO Mobile Telecommunications (広東欧珀移動通信:以下、OPPO)やvivo Mobile Communication (維沃移動通信:以下、vivo)の什器が入り混じり、少し不思議な感覚に陥った。
日本統治時代は郵便事業、現在は携帯電話事業、数十年の時を経ても逓信業務の拠点として使われ続けている。
中国ではSIMカードの購入時に実名登録を義務化しており、実名登録のシステムの都合上から一部の営業庁では外国人に対するSIMカードの販売を実施していないが、勝利橋営業庁では外国人でもSIMカードを購入できる。
外国人の場合は実名登録の手続きで顔写真を撮影する必要がある。
勝利橋営業庁ではカウンターにカメラが配備されており、旅券の顔写真ページを所持した状態で顔写真を撮影される。
SIMカードのサイズはMini SIM (2FF)サイズ、Micro SIM (3FF)サイズ、Nano SIM (4FF)サイズのトリプルカットを用意している。
地方都市の営業庁では古いデザインのSIMカードが流通することも少なくないが、勝利橋営業庁では比較的新しいデザインのSIMカードを入手できた。
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沃4G+と印刷されたChina UnicomのSIMカード
料金プランはプリペイド式で、月額料金が58人民元(約1,000円)の小紅包卡、88人民元(約1,500円)の大紅包卡、188人民元(約3,200円)の至尊紅包卡を案内していた。
小紅包卡を選択したが、新規に電話番号を取得する場合は初期費用が発生し、合計で100人民元(約1,700円)が請求された。
音声通話およびデータ通信を利用可能で、データ通信はChina Unicomが沃4G+として展開する高速なLTEサービスも使えるが、中国で利用が規制されているコンテンツは利用不可であるため、VPNを利用するなどの対策が必要となる。
勝利橋営業庁は旧大連中央郵便局の建物だけに、しばしば観光地として紹介されることもあるが、観光ついでに勝利橋営業庁でSIMカードを入手しておくとよい土産になるかもしれない。
最寄駅は大連地鉄2号線の中山広場駅で、中山広場駅のD1出口が最も近い。
営業時間は8時30分~17時30分(中国標準時)となっている。
なお、China Unicomは他都市でも歴史的な建物を営業庁として使用しており、例えば吉林省の省都・長春市では旧Manchurian Telegraph and Telephone Company (満洲電信電話:MTT)の本社社屋もChina Unicomの営業庁として使われている。
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