タイCAT Telecomの取締役会、TOTとの合併を承認
- 2018年07月15日
- 海外携帯電話
タイの通信事業者であるCAT Telecomの取締役会は同じくタイの通信事業者であるTOTとの合併を承認した。
CAT TelecomとTOTの合併案はCAT Telecomの労働組合が強く支持しており、タイの政府機関であるデジタル経済社会省(Ministry of Digital Economy and Society)の幹部も賛成の意向を示したという。
ただ、CAT TelecomとTOTの合併を実現するためには、TOTの取締役会でも承認が必要となるが、TOTはCAT Telecomとの合併に慎重な姿勢である。
CAT Telecomは仮想移動体通信事業者(MVNO)への卸携帯電話サービスは2025年まで継続できるが、移動体通信事業者(MNO)への1.8GHz帯の貸出は早ければ2018年中に終了する見込みとなっている。
一方、TOTは仮想移動体通信事業者への卸携帯電話サービスおよび移動体通信事業者への2.3GHz帯の貸出ともに2025年まで継続できる。
早期に周波数の貸出が終了するCAT Telecomは早期の合併を望んでいるが、TOTは2018年より開始した周波数の貸出で2025年まで一定規模の収入を見込んでおり、異なる立場のCAT TelecomとTOTでは合併への考え方も異なる。
CAT TelecomとTOTは国有企業で、いずれもタイの政府機関である財務省(Ministry of Finance)が所有する。
デジタル経済社会省はCAT TelecomとTOTを分割および再編して資産を民間に移管し、CAT Telecomの継承会社をNeutral Gateway & Data Centre Company (NGDC)、TOTの継承会社をNational Broadband Network (NBN)とする計画を公表したが、CAT TelecomおよびTOTの労働組合は国家資産に損害を与えるとして計画の停止を求める訴訟を中央行政裁判所に提起しており、それを受けてデジタル経済社会省は計画を中止した経緯がある。
CAT TelecomとTOTは経営不振が続くが、CAT TelecomとしてはTOTと統合してより大規模な国有の通信事業者を構成し、民間の通信事業者に対抗すべく競争力を強化する狙いがあるという。
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