三井物産が出資するインドネシアのBOLT!、事業閉鎖の危機
- 2018年11月15日
- 海外携帯電話
インドネシアのFirst Mediaおよび同社の子会社で同国の移動体通信事業者(MNO)であるInternuxはライセンスの剥奪の危機にあることがインドネシアメディアの報道で分かった。
Internuxはブランド名をBOLT!として移動体通信サービスを展開しており、BOLT!の移動体通信サービスでは親会社のFirst Mediaが保有する周波数とInternuxが保有する周波数の両方を使用する。
地域限定のブロードバンド・ワイヤレス・アクセス(BWA)向けに周波数の割当を受けており、スマトラ島北部ではFirst Mediaが2.3GHz帯の15MHz幅、首都圏とその近郊ではFirst Mediaが2.3GHz帯の15MHz幅、Internuxが2.3GHz帯の15MHz幅を保有する状況にある。
しかし、First MediaとInternuxは2016年分と2017年分の周波数の利用料を支払いしておらず、2018年分の支払いも厳しい模様である。
インドネシアの政府機関で電気通信分野の規制を司る通信情報省(Kementerian Komunikasi dan Informatika:Kominfo)は2018年分の締切日である2018年11月17日までに未納分も含めて周波数の利用料と制裁金を支払わない場合、周波数の利用に係るライセンスの剥奪を躊躇しないと明らかにした。
First Mediaは3,648億インドネシアルピア(約28億941万円)、Internuxは3,435億インドネシアルピア(約26億4,537万円)を支払う義務がある。
ただ、Internuxは債務支払い猶予手続きを進めるなど、周波数の利用料を滞納する背景には財務上の厳しさが存在し、通信情報省が提示した締切までに納付は難しいとの見方も出ている。
仮にライセンスが剥奪された場合、BOLT!の移動体通信サービスに係る事業は閉鎖を余儀なくされる。
First Mediaは様々な事業を展開しているが、仮にライセンスを剥奪されても影響を受ける事業はInternuxを通じて手掛けるBOLT!の移動体通信サービスのみで、First Mediaが直接的に手掛ける事業には影響ない。
Internuxはインドネシアで初めてLTEサービスを商用化した移動体通信事業者で、日本のMitsui & Co. (三井物産)も出資しており、出資比率はFirst Mediaが80%、Mitsui & Co.が20%となっている。
また、スラウェシ島北部で2.3GHz帯の15MHz幅を保有するJasnita Telekomindoも周波数の利用料を支払いしておらず、First MediaおよびInternuxと同様にライセンスを剥奪される可能性がある。
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