ベトナムのViettel Group、5G通信設備を自社開発へ
- 2019年04月07日
- 海外携帯電話
ベトナムのViettel Group (軍隊工業通信グループ)は第5世代移動通信システム(5G)の通信設備の大半を自社で開発および製造する方針を示した。
Viettel Groupは通信設備の開発や製造を推進しており、5Gでは8割程度を自社製とする計画という。
5Gの研究開発ではスウェーデンのEricssonと協力しているため、少数ながらEricssonより通信設備を調達する可能性もある。
これまで、Viettel Groupは第2世代移動通信システム(2G)のGSM方式と第3世代移動通信システム(3G)のW-CDMA方式では基本的に通信設備は輸入に依存していた。
第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式では無線アクセスネットワークからコアネットワークの通信設備を自社で開発および製造しており、Viettel GroupとしてはLTE方式の通信設備でも自社製の比率を高める意向を示している。
Viettel Groupはベトナム人民軍を統括するベトナムの国防省(Ministry of National Defence:MOD)が完全所有し、ベトナム共産党中央軍事委員会(Central Military Commission of the Communist Party of Vietnam)の指導に基づいて運営する国営企業である。
ベトナム政府の政令では国防省が命じた政治的、軍事的、その他の特別な業務を遂行する義務があると規定された特殊な存在で、Viettel Groupの意思決定の背後にはベトナム政府の指示が存在する。
ベトナム政府が国家安全保障上の観点や電気通信分野の発展を考慮して、Viettel Groupによる通信設備の開発や製造を推進していると思われる。
また、ベトナムは領土問題などを抱える中国とは対立する状況で、また米国とは国家安全保障上の協力関係にあり、米国政府の意向を汲んだ可能性も高い。
Viettel Groupの移動体通信事業はViettel Groupの従属会計単位であるViettel Telecom Corporation – Branch of Viettel Groupが担当している。
従属会計単位は法人格を持たない支店の扱いで、本社であるViettel Groupの委任によって事業を行う。
Viettel Groupはベトナムの首都・ハノイ市とホーチミン市で5Gのトライアルライセンスを取得しており、2020年以降の商用化に向けて試験を実施する計画である。
ベトナムではVNPT VinaPhone CorporationおよびMobiFone Corporationも5Gの導入に向けた準備を進めており、VNPT VinaPhone CorporationはフィンランドのNokia、MobiFone Corporationは韓国のSamsung Electronics (サムスン電子)を採用することが有力視されている。
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