T-Mobile USA版のGalaxy Note10+ 5GはSnapdragon X55 5G modemを搭載

Tweet

米国の移動体通信事業者(MNO)であるT-Mobile USAが取り扱う韓国のSamsung Electronics (サムスン電子)製のスマートフォン「Samsung Galaxy Note10+ 5G」は通信モデムとして米国のQualcommの完全子会社で同国のQualcomm Technologiesが開発したQualcomm Snapdragon X55 5G modemを搭載することが分かった。

Samsung Galaxy Note10+ 5Gはすでに複数の国で販売されているが、通信モデムはQualcomm Technologies製のQualcomm Snapdragon X50 5G modemもしくはSamsung Electronics製のSamsung Exynos Modem 5100を搭載する。

チップセットがQualcomm Technologies製のQualcomm Snapdragon 855 Mobile PlatformであればQualcomm Snapdragon X50 5G modemを組み合わせ、チップセットがSamsung Electronics製のSamsung Exynos 9 Series 9825であればSamsung Exynos Modem 5100を組み合わせる構成となっていた。

しかし、T-Mobile USAが取り扱うSamsung Galaxy Note10+ 5GはQualcomm Snapdragon 855 Mobile PlatformにQualcomm Snapdragon X55 5G modemを組み合わせる。

T-Mobile USAは2019年12月6日よりSamsung Galaxy Note10+ 5Gの取り扱いを開始する予定で、発売に先立ち詳細なスペックを公開した。

スペックシートにはチップセットと通信モデムが記載されており、確かにQualcomm Snapdragon 855 Mobile PlatformとQualcomm Snapdragon X55 5G modemを組み合わせることが確認できる。

T-Mobile USAは2019年6月28日よりミリ波(mmWave)の28GHz帯および39GHz帯を使用して第5世代移動通信システム(5G)を商用化したが、ミリ波のような高い周波数はカバレッジの確保が困難であるため、T-Mobile USAは当初よりサブGHz帯の600MHz帯を使用して全米で5Gを整備する計画を示していた。

Samsung Galaxy Note10+ 5Gが600MHz帯の5Gに対応した最初のスマートフォンとなり、発売日の2019年12月6日よりT-Mobile USAは600MHz帯の5Gを商用化する。

5Gの通信方式は600MHz帯、28GHz帯、39GHz帯いずれもNR方式であるが、28GHz帯と39GHz帯はNR (TDD)方式で、600MHz帯はNR (FDD)方式となる。

Qualcomm Snapdragon X50 5G modemではNR (TDD)方式のみに対応しており、T-Mobile USA向けのSamsung Galaxy Note10+ 5GはNR (FDD)方式に対応する必要性があることから、NR (FDD)方式にも対応したQualcomm Snapdragon X55 5G modemを搭載することになった。

なお、NR BandはNR (FDD)方式の600MHz帯がn71、NR (TDD)方式の28GHz帯がn261、39GHz帯がn260となる。

これまでに、1GHz帯以下のサブGHz帯で5Gを商用化した移動体通信事業者はなく、NR (FDD)方式を商用化した移動体通信事業者もないため、米国の移動体通信事業者であるAT&T Mobilityが先越さない限り、いずれもT-Mobile USAが世界初の商用化となる見込み。

T-Mobile USAが取り扱う中国のOnePlus Technology (Shenzhen) (深圳市万普拉斯科技)製のスマートフォン「OnePlus 7T Pro 5G McLaren」も同様にQualcomm Snapdragon X55 5G modemを搭載すると思われる。

T-Mobile USA