香港のSmarToneが5Gサービスを商用化、香港初のDSSも
- 2020年05月26日
- 海外携帯電話
香港特別行政区を拠点とする英領バミューダ諸島のSmarTone Telecommunications Holdings (数碼通電訊集団)の完全子会社で香港特別行政区の移動体通信事業者(MNO)であるSmarTone Mobile Communications (数碼通電訊)は第5世代移動通信システム(5G)を商用化した。
2020年5月26日の16時(香港時間)より5GのNR方式に準拠した5Gサービスを提供している。
5Gサービスに対応した端末としては7機種のスマートフォン、1機種のモバイル無線LANルータ、1機種の据置型無線LANルータ、合計で9機種を用意しており、スマートフォンは中国のHuawei Technologies (華為技術)製のHUAWEI P40 Pro、中国のGuangdong OPPO Mobile Telecommunications (OPPO広東移動通信)製のOPPO Find X2 Pro、韓国のSamsung Electronics (サムスン電子)製のSamsung Galaxy S20、Samsung Galaxy S20+、Samsung Galaxy S20 Ultra、中国のXiaomi Communications (小米通訊技術)製のXiaomi Mi 10およびXiaomi Mi 10 Pro、モバイル無線LANルータはHuawei Technologies製のHUAWEI Mobile WiFi Pro、据置型無線LANルータはHuawei Technologies製のHUAWEI 5G CPE Pro Routerを取り扱う。
SmarTone Mobile Communicationsは5G向け周波数としてサブ6GHz帯の3.5GHz帯の70MHz幅およびミリ波(mmWave)の28GHz帯の400MHz幅を取得したが、まずは3.5GHz帯と2.1GHz帯をNR方式で使用する。
なお、香港特別行政区では5G向けの3.5GHz帯を3.3GHz帯と3.5GHz帯に区別して呼称し、それぞれ分けて割当を実施した。
SmarTone Mobile Communicationsは3.3GHz帯では20MHz幅、狭義の3.5GHz帯では50MHz幅を取得しており、それぞれ連続していない。
狭義の3.5GHz帯では3.5GHz帯の制限エリアを除いた屋外と屋内の両方で利用できるが、3.3GHz帯は屋内のみで利用できる。
2.1GHz帯は20MHz幅*2を保有し、このうち15MHz幅*2を第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式、5MHz幅*2を第3世代移動通信システム(3G)のW-CDMA方式に残しているが、LTE方式とNR方式の間で周波数を動的に共有するダイナミックスペクトラムシェアリング(DSS)を実装して15MHz幅*2でLTE方式とNR方式を運用する。
3.5GHz帯と比較して2.1GHz帯は広くカバーできるほか、5G向けに3.5GHz帯と同時に割当が行われた4.5GHz帯を取得していないSmarTone Mobile Communicationsは3.5GHz帯の制限エリアでは5G向けのサブ6GHz帯を使用できないため、2.1GHz帯を使用すれば5Gを整備できる。
ダイナミックスペクトラムシェアリングはすべてのFDD BandとTDD Bandの2.5GHz帯で標準化されており、SmarTone Mobile Communicationsがダイナミックスペクトラムシェアリングを導入できる周波数としては2.6GHz帯、2.1GHz帯、1.8GHz帯、900MHz帯が選択肢となるが、このうち対応する携帯端末が比較的多く、連続した最も広い帯域幅を確保できる2.1GHz帯でダイナミックスペクトラムシェアリングを導入した。
NR方式の周波数はNR Bandとして定義されており、SmarTone Mobile Communicationsが運用する3.5GHz帯はFR1のn78、2.1GHz帯はFR1のn1である。
基地局はスウェーデンのEricssonから調達していることが分かっている。
これまでに、香港特別行政区ではChina Mobile Hong Kong (中國移動香港:CMHK)、csl.および1O1Oとして展開するHong Kong Telecommunications (HKT)、3 (Three)として展開するHutchison Telephone (和記電話)が2020年4月1日より一斉に5Gサービスを提供しており、SmarTone Mobile Communicationsは香港特別行政区で4番目に5Gサービスを導入し、これに伴い香港特別行政区のすべての移動体通信事業者が5Gサービスを商用化したことにもなる。
また、ダイナミックスペクトラムシェアリングは香港特別行政区の移動体通信事業者としてはSmarTone Mobile Communicationsが初めて導入した。
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