Rakuten Miniの対応周波数の変更、利用上の影響は

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Rakuten Mobile (楽天モバイル)は中国のShenzhen Tinno Mobile Technology (深圳市天瓏移動技術)製のスマートフォン「Rakuten Mini (C330)」に関して対応周波数が異なる複数のバリエーションが存在することを明らかにした。

国際ローミングの拡充を目的としてRakuten Mini (C330)の対応周波数を変更したが、公式ウェブサイトでは対応周波数の変更に関する情報が正しく更新されていなかったと説明している。

今回は、Rakuten Mini (C330)の対応周波数の変更に伴い、携帯通信サービスを利用するうえで生じると想定できる影響を考えてみる。

まず、Rakuten Mini (C330)にはLTE方式の対応周波数が異なる3種類が存在し、以下から最初に公表した対応周波数のモデルを初期版、変更後の対応周波数のモデルを後期版、なぜか存在する初期版と後期版の中間のモデルを中期版と表記する。

初期版、中期版、後期版のLTE方式の対応周波数は下記の通りである。

– 初期版
LTE B1/B3/B18/B19/B26/B28/B41
※ B1対応、B4/B5/B38非対応

– 中期版
LTE B1/B3/B5/B18/B19/B26/B28/B38/B41
※ B1/B5/B38対応、B4非対応

– 後期版
LTE B3/B4/B5/B18/B19/B26/B28/B38/B41
※ B4/B5/B38対応、B1非対応

Rakuten Mobileの携帯通信サービスを日本国内で利用する場合、結論から述べると影響はまったくない。

日本国内ではRakuten Mobileが自ら整備した楽天回線を利用できるほか、Rakuten Mobileがローミング協定を締結したKDDIおよびOkinawa Cellular Telephone (沖縄セルラー電話)が整備したパートナー回線をローミングで利用できる。

楽天回線はB3のみで、パートナー回線は800MHz帯が基本と案内している。

800MHz帯はB18となるが、MFBIでB26の端末も受け入れているため、B18またはB26と考えて差し支えない。

B18またはB26がプライマリの搬送波となる組み合わせのキャリアアグリゲーション(CA)に端末側が対応する場合、800MHz帯以外の周波数も利用できる。

陸上移動局の包括免許上はローミングでB1/B3/B18/B26/B28を利用できるが、実際はB18またはB26がプライマリの搬送波となる組み合わせのCAはCA_1A-18A、CA_1A-26A、CA_1A-18A-28Aであるため、端末によってB1やB28も利用できる場合がある。

ただ、Rakuten Mini (C330)はCAに非対応であるため、初期版、中期版、後期版いずれも楽天回線ではB3、パートナー回線ではB18となる。

Rakuten Mobileの携帯通信サービスで国際ローミングを利用する場合、もしくはRakuten Mobile以外の通信事業者のeSIMで携帯通信サービスを利用する場合は提供エリアや通信速度の理論値が変動するなど影響が生じる可能性がある。

ただ、影響の程度は個人の使い方によって異なり、モデルによって対応状況が異なるB1、B4、B5、B38が必要かどうかで変動する。

B1は日本を含めたアジア太平洋地域、欧州および中東で広く使われている。

B4は北中米カリブ海諸国および南米を含めた米州で広く使われており、SoftBankが取り扱う端末では国際ローミング用として対応する場合が多い。

B5はアジア太平洋地域や米州で広く使われており、NTT DOCOMO、KDDIおよびOkinawa Cellular Telephone、SoftBankが取り扱う多くの端末で国際ローミング用に対応する。

B38は中国をはじめとするアジアや欧州の一部では比較的採用されているが、主力の周波数として使われているわけではなく、ほかの周波数と比べてあまり重視する必要はない。

Rakuten Mobileは北米を中心とした国際ローミングを拡充するために対応周波数を変更したと説明しており、米州で利用する場合は確かに後期版が最も便利であるが、米州以外では必ずしもそうではなく、これが個人の使い方によって影響の程度が異なると考える理由である。

とにかく個人的にはモデルに関係なく1円で入手できた人を羨ましく感じるが、それはさておき、なぜ対応周波数の変更を周知せず異なる仕様の製品を販売していたのか、なぜ初期版と後期版の間に中期版が存在するようなことになったのか、なぜ仕様が異なる製品を同一の型番で販売するのか疑問に感じるところである。