シンガポールのSingtelが2021FY通期の業績を発表
- 2021年05月30日
- 海外携帯電話
シンガポールのSingapore Telecommunications (新加坡電信:Singtel)は2021会計年度通期の業績を発表した。
2021年3月31日に終了した12ヶ月間となる2021会計年度通期の連結売上高は前年同期比7.7%減の156億4,400万シンガポールドル(約1兆2,980億3,630万円)、EBITDAは前年同期比17.7%減の38億3,200万シンガポールドル(約3,179億5,417万円)、EBITDAマージンは前年同期比3.0ポイント減の24.5%、当期純利益は前年同期比51.7%減の5億5,400万シンガポールドル(約459億6,954万円)となった。
業績の発表に伴い事業別の業績も公表している。
連結子会社を通じて行う携帯通信事業の売上高はシンガポールの携帯通信事業が前年同期比19.4%減の18億5,900万シンガポールドル(約1,542億5,517万円)、豪州(オーストラリア)の携帯通信事業が前年同期比5.2%減の53億9,000万豪州ドル(約4,584億8,149万円)である。
シンガポールの携帯通信事業は全体の11.9%、豪州の携帯通信事業は全体の35.3%となり、連結子会社を通じて行う携帯通信事業は合計で47.2%を占めた。
携帯通信事業には移動体通信事業者(MNO)として展開する携帯通信サービスの提供や携帯端末の販売などが含まれる。
シンガポールでは完全子会社でシンガポールの移動体通信事業者であるSingtel Mobile Singapore、豪州では完全子会社で豪州の移動体通信事業者であるOptus Mobileが事業会社かつ免許人として携帯通信事業を行う。
Singtel Mobile SingaporeおよびOptus Mobileはいずれも完全子会社で、Optus Mobileに関しては豪州のSingtel Optusを通じて完全所有する。
2021年3月31日時点の事業データも公表している。
携帯通信サービスの加入件数はシンガポールのポストペイド回線が前年同期比2.9%増の278万2,000件、プリペイド回線が前年同期比14.7%減の134万6,000件、合計が前年同期比3.6%減の412万8,000件となった。
豪州の音声通話対応のポストペイド回線が前年同期比1.0%減の576万6,000件、音声通話対応のプリペイド回線が前年同期比12.2%減の296万7,000件、データ通信専用回線が前年同期比0.2%減の124万1,000件、合計が前年同期比4.5%減の997万4,000件で、いずれも減少傾向となっている。
2021会計年度通期におけるARPUはシンガポールのポストペイド回線が前年同期比24.6%減の29シンガポールドル(約2,406円)、プリペイド回線が前年同期比18.6%減の13シンガポールドル(約1,079円)、総合が前年同期比22.0%減の23シンガポールドル(約1,908円)である。
豪州の音声通話対応のポストペイド回線が前年同期比0.2%減の37豪州ドル(約3,147円)、音声通話対応のプリペイド回線が前年同期比2.1%増の19豪州ドル(約1,616円)、データ通信専用回線が前年同期比8.7%増の21豪州ドル(約1,786円)、総合が前年同期比1.9%増の30豪州ドル(約2,552円)となった。
2021会計年度通期における平均月間データ通信量はシンガポールが前年同期比17.0%増の6GB、豪州が前年同期比22.5%増の11GBで、シンガポールおよび豪州いずれも増加傾向となっている。
2021会計年度の携帯通信事業に関する主な取り組みとして、シンガポールでは第5世代移動通信システム(5G)のNR方式のノンスタンドアローン(NSA)構成に準拠したトライアルサービスの提供を開始した。
すでに5Gを商用化した豪州ではNR方式でキャリアアグリゲーション(CA)を導入しており、下りの通信速度の理論値は2.5Gbps以上に達している。
2021年4月1日以降は2021年5月25日にシンガポールでSA構成の導入に伴い5Gを商用化したほか、豪州ではミリ波(mmWave)の周波数で5Gの運用を開始し、5Gの高度化に取り組んでいる。
なお、Singapore Telecommunicationsはシンガポールと豪州以外では関連会社を通じて携帯通信事業を行い、アジアを中心に世界各地で携帯通信事業を展開している。
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