ベトナムの携帯電話事業者3社、5G基地局の共有に関して合意
- 2021年05月30日
- 海外携帯電話
ベトナムの移動体通信事業者(MNO)であるViettel Telecom Corporation – Branch of Viettel Group (以下、Viettel)、VNPT VinaPhone Corporation (以下、VinaPhone)、MobiFone Corporation (以下、MobiFone)は第5世代移動通信システム(5G)の基地局の共有などに関して合意したことが分かった。
ベトナムの政府機関で電気通信分野などの規制を司る情報通信省(Ministry of Information and Communications:MIC)が公表している。
ベトナムではViettel、VinaPhone、MobiFoneが2021年5月末までに5Gのトライアルを展開してきた。
5Gのトライアルは複数の中央直轄市および省で実施しており、具体的には首都・ハノイ市、ホーチミン市、バクニン省、バクザン省、ビンフォック省、トゥアティエン=フエ省のいずれかである。
5Gのトライアルを展開すると同時に5Gの検証も行い、5Gのカバレッジは基地局から半径数百メートルにとどまることを確認したという。
基地局から半径2~3kmを整備できる従来の第2世代移動通信システム(2G)、第3世代移動通信システム(3G)、第4世代移動通信システム(4G)と比べてカバレッジが狭いため、5Gを広範に整備するためには多数の基地局の展開が必要との見解で一致している。
そこで、Viettel、VinaPhone、MobiFoneは5Gの基地局の効率的な展開の実現を目的として、2012年5月27日付けで5Gの基地局を構成する通信設備の共有およびローミングの試験を共同で実施することで合意に達した。
Viettel、VinaPhone、MobiFoneはオンラインで調印式を開催し、合意文書に署名する様子が公表されている。
なお、ベトナムには5者の移動体通信事業者が存在するが、Viettel、VinaPhone、MobiFoneは大手の3者となる。
通信設備の共有形態はマルチオペレータ無線アクセスネットワーク(MORAN)を検討する。
通信設備の共有形態としてはマルチオペレータ無線アクセスネットワークやマルチオペレータコアネットワーク(MOCN)などが考えられる。
マルチオペレータコアネットワークは共有する無線アクセスネットワークにそれぞれの移動体通信事業者が構築したコアネットワークを接続し、共有する無線アクセスネットワークを通じて同一の中心周波数で複数の公衆陸上移動体ネットワーク番号(Public Land Mobile Network Number:以下、PLMN番号)を運用して周波数も共有することになる。
マルチオペレータ無線アクセスネットワークは共有する無線アクセスネットワークにそれぞれの移動体通信事業者が構築したコアネットワークを接続し、共有する無線アクセスネットワークを通じて移動体通信事業者ごとに異なる中心周波数を運用する。
そのため、マルチオペレータ無線アクセスネットワークではそれぞれの中心周波数では免許人である移動体通信事業者のPLMN番号を運用し、周波数を共有せずに無線アクセスネットワークを共有する形態となっている。
Viettel、VinaPhone、MobiFoneは周波数を共有せずに無線アクセスネットワークを共有し、個別に割当を受けた周波数を使用する方向で通信設備の共有の検討を進める。
また、通信設備の共有のほかにローミングも検討する計画である。
試験を完了後に5Gを効率的に整備できる方法を判断し、通信設備の共有やローミングの実施に関して決定すると思われる。
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