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レバノンの携帯電話事業者が国際ローミング料金を値上げ



レバノンの移動体通信事業者(MNO)でAlfaとして事業を行うMobile Interim Company 1 (MIC1)およびtouchとして事業を行うMobile interim company no.2 (MIC2)は国際ローミングの料金を値上げしたことが分かった。

いずれもレバノン政府が所有する国有の移動体通信事業者で、レバノンの政府機関で電気通信分野の規制を司る電気通信省(Ministry of Telecommunications:MoT)が管理しており、レバノンの電気通信大臣は国際ローミングの料金を値上げした背景を説明することになった。

レバノンでは外貨不足が深刻化しているが、レバノンの移動体通信事業者は国際ローミング協定を締結した提携先の移動体通信事業者に国際通貨の米ドル(USD)またはユーロ(EUR)で国際ローミングの料金を支払う必要があるため、国際ローミングの提供を継続できるよう料金を調整したという。

レバノンでは経済状況が悪化しており、外貨不足およびレバノンの法定通貨であるレバノンポンド(LBP)の急落が進行している。

もはや機能していない公定レートでは1米ドルが1,507.5レバノンポンドで固定されているが、2021年7月には実勢レートで1米ドルが約23,000レバノンポンドに達した。

レバノンではレバノンポンドに加えて米ドルも一般的に通用しており、過去にはレバノンの移動体通信事業者は原則として米ドルに限り受け付けていた。

しかし、外貨不足の影響でレバノンの銀行が米ドルの引き出しに制限を発動したことなどを考慮して、レバノンの移動体通信事業者は国際ローミングも含めて料金の請求を米ドルからレバノンポンドに切り替えた。

ただ、依然としてレバノンの移動体通信事業者は国際通貨で提携先の移動体通信事業者に国際ローミングの料金を支払う必要がある。

例えば国際ローミングの料金が40米ドルの場合はレバノンの移動体通信事業者が約40米ドルを提携先の移動体通信事業者に支払い、加入者には公定レートを適用した60,300レバノンポンドを請求してきたが、実勢レートでは60,300レバノンポンドの価値は約2.6米ドルにとどまる。

わずか2年足らずの間にレバノンポンドの価値が10分の1未満に下落する中で、すでにレバノン政府の財務状況に大きな負担を与えており、国際ローミングの料金を維持すると外貨の枯渇が懸念されるため、レバノンポンドの実際の価値を反映して国際ローミングの料金を調整することになった。

国際ローミングの料金を算出する方法は従来と変わりないことも明確化しており、レバノンの移動体通信事業者が締結した国際ローミング協定に基づき決定している。

なお、国際ローミングはレバノン国外で利用する場合のオプションであるため、レバノン国内で利用する場合は関係ない。

電気通信大臣は具体的な数字を例として国際ローミングの料金を調整した背景を説明し、加入者に理解を求めている。

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