Ogeroが山岳レバノン県の主要都市でも燃料枯渇で通信サービス停止
- 2021年08月17日
- 海外携帯電話
レバノンの政府機関で国営の通信事業者であるOgeroはレバノンの中部で地中海に面する山岳レバノン県の一部でも通信サービスの提供を停止したことが分かった。
山岳レバノン県の中部に位置するアリーの中心部では遅くとも2021年8月14日の夜頃までに燃料の枯渇が原因で通信サービスの提供を停止したことを案内している。
アリーはベイルート県の県都で首都でもあるベイルート市の中心部から十数キロメートルに位置する都市で、人口を基準にレバノンの都市としては8番目の規模を有する主要都市のひとつである。
復旧する見込みの時期は案内していないが、技術部門が復旧に向けた作業を展開しており、顧客には状況に対して理解を求めた。
また、遅くとも2021年8月16日の午前までに山岳レバノン県のバルーク、レバノンの北部に位置するアッカール県の県都・ハルバおよびコバヤットでも燃料が再び供給されるまで通信サービスの提供を停止すると発表した。
もはやOgeroがコントロールできる状況ではないと顧客に説明するとともに、影響を受ける顧客には謝罪を表明している。
これまでに、レバノンではアッカール県の複数の地域で遅くとも2021年8月13日の昼頃までに燃料の枯渇が原因で通信サービスの提供を停止しており、山岳レバノン県やアッカール県の主要都市にも影響が拡大したことが分かる。
深刻な電力不足のレバノンでは停電が長時間化しており、国営の電力事業者であるElectricite du Libanは電力需要を満たせていない。
送電網を通じて通信設備の稼働に必要な電力を確保できないため、Ogeroは発電機を独自に配備して電力の確保に努めてきた。
しかし、発電機用の燃料が枯渇して発電機を運用できなくなり、結果として通信サービスの提供の停止を余儀なくされた。
経済危機の渦中のレバノンでは法定通貨であるレバノンポンド(LBP)の急落や外貨不足が進行し、燃料を含めた様々な品目で物品の輸入が困難となっている。
レバノンの経済状況に起因する燃料不足はOgeroの努力で解決できる問題ではないため、Ogeroもコントロールできない状況と説明しており、長期化すれば影響を受ける地域がさらに拡大すると予想できる。
なお、Ogeroは固定通信事業を専門的に行う通信事業者である。
固定通信用途で携帯通信技術を導入しており、第2世代移動通信システム(2G)、第4世代移動通信システム(4G)、第5世代移動通信システム(5G)を運用している。
固定通信事業者であるが、レバノンでは最初に5Gを商用化した。
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