グアムでIT&EのプリペイドSIMを購入

Tweet

米領グアムの移動体通信事業者(MNO)でIT&Eとして携帯通信事業を行うPTI PacificaのプリペイドSIMカードを試したため紹介する。

PTI Pacificaは米自治領北マリアナ諸島自治連邦区に登記上の本店が所在する北マリアナ諸島法人であるが、グアムにも拠点を開設しており、北マリアナ諸島に加えてグアムでも携帯通信事業を行う。

フィリピンを拠点とする英領ケイマン諸島のCitadel Pacificの子会社で、韓国の移動体通信事業者であるSK Telecomも資本参加しており、持分比率はCitadel Pacificが85%、SK Telecomが15%となっている。

参考までに、詳細な所有構造はCitadel Pacificの完全子会社で北マリアナ諸島のProspector Pacific Investmentsが85%、SK Telecomが15%を保有する北マリアナ諸島のPacific Telecomの完全子会社で北マリアナ諸島のMicronesian Telecommunications Corporationの完全子会社がPTI Pacificaとなる。

社名のPTI PacificaよりブランドのIT&Eとして通用度が高いため、以下からIT&Eと表記する。

観光客向けのプリペイドプランとしてHafa Adai SIM Kitを10米ドル(約1,450円)で販売している。

有効期間は4日間で、データ通信容量は無制限であるが、通信速度は深夜を除いて制限しているため、実測度は最大でも5Mbps前後にとどまる。

通信速度を必要とする場合は通信速度に制限がない7-Day Planもしくは30-Day Planが適しており、下りは50Mbps前後、上りは10Mbps前後を記録した。

7-Day Planは15米ドル(約2,180円)、有効期間が7日間、データ通信容量は1日あたり1GBまでとなるため、最大で7GBまで利用できる。

30-Day Planは60米ドル(約8,720円)、有効期間が30日間、データ通信容量が40GBとなる。

IT&Eの販売店ではプランの申し込みなど必要な手続きを完了した状態でプリペイドSIMカードを受け取れるため、あらかじめ用途に応じて必要な通信速度を判断およびプランを決定後に販売店を訪問し、プランを指定して申し込むと円滑に購入できる。

プリペイドSIMカードの購入に本人確認書類の提示は必要ないが、使用するスマートフォンの動作確認を求められる場合がある。

SIMカードのサイズはMini SIM (2FF)、Micro SIM (3FF)、Nano SIM (4FF)のトリプルカットで、APNの設定が必要な場合はAPNの名前にITE、APNにprepaid(ドット)ite(ドット)netと(ドット)を.に置き換えて入力すると問題ない。

通信方式と周波数は第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式がB2とB12、第3世代移動通信システム(3G)のW-CDMA方式がIIで、帯域幅と搬送波はB2が20MHz幅*2と10MHz幅*2、B12が10MHz幅*2、IIが5MHz幅*2を1搬送波ずつ運用することを確認できた。

IT&Eは1.9GHz帯のB2およびIIを主力の周波数として活用するが、日本の移動体通信事業者の製品では周波数の問題で完全に利用できないもしくは音声通話を利用できない場合がある。

参考までに、傾向としてNTT DOCOMOやKDDIおよび同社の連結子会社であるOkinawa Cellular Telephone (沖縄セルラー電話)の製品はB2とIIに非対応の機種が多く、SoftBank Corp.の製品はB2とIIに対応する機種が多いが、実際の対応周波数は機種ごとに異なる。

例えば、NTT DOCOMOが発売した韓国のSamsung Electronics (サムスン電子)製のGalaxy S22 SC-51CではB12を利用できるが、B2とIIは非対応となるほか、LTE方式で音声通話を行うVoLTE (Voice over LTE)はIT&Eで利用できないため、IT&Eでは音声通話を利用できないことになる。

そのため、事前に使用するスマートフォンなど携帯端末の対応周波数を確認することを推奨したい。