韓国当局がKTとLG U+に制裁発動、5G向けミリ波の割当を取消
- 2022年11月19日
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韓国の政府機関で電気通信分野などの規制を司る科学技術情報通信部(Ministry of Science and ICT:MSIT)は周波数割当公告(2018年5月4日)の規定に基づき韓国の移動体通信事業者(MNO)であるKT CorporationおよびLG U+として事業を行うLG Uplusに対して周波数の割当を取消すると発表した。
対象の周波数は第5世代移動通信システム(5G)の導入のために割当したミリ波(mmWave)の28GHz帯となる。
28GHz帯は科学技術情報通信部が2018年6月15日から2018年6月18日まで開催した周波数オークションで割当しており、KT Corporationは2,078億韓国ウォン(約217億5,208万円)で26500~27300MHzの800MHz幅、LG Uplusは2,072億韓国ウォン(約216億8,927万円)で27300~28100MHzの800MHz幅を取得していた。
周波数の割当には条件を設定しており、電波法第10条および電波法施行令第11条で構築義務として開設する基地局の数量を定めている。
28GHz帯の構築義務は利用期間の満期までに100,000局で、3年目の終了までに15%を開設することも条件である。
利用期間は2018年12月1日から2023年11月30日までの5年間であるが、構築義務では2019年1月1日から開始する12か月間を1年目として計算するため、2021年12月31日までに15,000局を開設する義務を有した。
科学技術情報通信部は履行点検を実施して構築義務の確認と評価結果点数の算出を行い、義務数量や評価結果点数が規定を下回る場合は周波数割当公告(2018年5月4日)の規定に基づき制裁措置を発動できる。
履行点検は3年目中間点検と利用期間終了時点点検を行い、3年目中間点検で開設数が義務数量の10%未満や評価結果点数が30点未満の場合は周波数の割当を取消、義務数量の10%以上かつ義務数量未満や評価結果点数が70%未満の場合は是正措置命令や利用期間の短縮を制裁措置として規定している。
電波法第15条の2で構築義務の未達を認定時は周波数の割当を取消できると規定しており、法的に周波数の割当の取消は認められている。
3年目中間点検で28GHz帯の評価結果点数はKT Corporationが27.3点、LG Uplusが28.9点となった。
いずれも周波数割当公告(2018年5月4日)で規定する周波数の割当の取消に該当するため、28GHz帯の割当を取消することになった。
周波数割当公告(2018年5月4日)で規定する周波数の割当の取消を適用する初めての事例で、科学技術情報通信部は前代未聞の事態に残念と表明している。
KT CorporationおよびLG Uplusに対して28GHz帯の取得に要した費用の返還は行わない。
科学技術情報通信部は2022年11月18日付けでKT CorporationおよびLG Uplusに28GHz帯の割当の取消を通知しており、2022年12月中に各種手続きを実施して正式に確定する。
最終的な措置が確定次第、改めて案内する予定である。
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