韓国3位の携帯電話メーカーPantechが法定管理を申請、事実上の倒産に
- 2014年08月12日
- 海外携帯電話
韓国のPantechはソウル中央地方裁判所に法定管理を申請した。
法定管理は日本における会社更生法の適用に相当し、事実上の倒産となる。
韓国における倒産法制は再生型と清算型に分けられており、Pantechが申請した法定管理は前者の再生型となる。
ソウル中央地方裁判所はPantechの企業価値を判断し、1ヶ月以内に法定管理を開始するかどうか決定する。
法定管理を開始することになれば債務は減免されて、選定された法定管理人によって再建に向けて動くことになるが、裁判所が法定管理を棄却すれば清算手続きに入る。
企業価値を考慮して、法定管理に進む可能性が高いと見られている。
Pantechはこれまでに何度か経営難の厳しい状況を乗り越えてきたが、今回は乗り越えることができなかった。
1991年に設立された企業で、1997年に韓国証券取引所に上場、1998年に携帯電話端末の製造を開始、2001年にHyundai Curitelを買収、2005年にSK Teletecを買収、同年にKDDI向けに端末を納入して日本市場に参入を果たした。
韓国で3位の携帯電話メーカーとなるまで成長したが、経営難に陥って銀行などが構成する債権団が主導する企業再建プログラムのワークアウトを適用されるなど、経営面での不安定な状況が続いた。
ワークアウトは3度も適用しており、2007年4月から2011年12月まで最初のワークアウトを適用、2014年3月から2014年7月まで再びワークアウト適用、2014年8月には3度目のワークアウトを適用している。
今回はPantechは多額の債務返済が滞納している状態で、2014年8月11日には一部の債務返済が迫っていた。
2014年7月分は給与を支給しないなど現金の確保に努めたPantechであるが、債務の返済が困難となり法定管理を申請した。
Pantechは現金確保のために韓国の移動体通信事業者3社にスマートフォンの在庫を買い取るように要求していたが、既にPantech製スマートフォンの在庫を大量に抱える移動体通信事業者3社はPantechの要求に応えることができなかった。
3度目のワークアウト適用で一度は危機を脱出したかに思われたが、移動体通信事業者3社にPantech製スマートフォンの購入意思がなく、Pantechとしては販路が閉ざされた状態となり、2014年8月12日午前9時より開催されていた理事会において全会一致で法定管理は避けられないと結論が出た。
法廷管理が適用されることになれば債務の支払いなどが減免されるが、それによって支払いを受け取れないPantechの下請けなど関連企業の連鎖倒産が懸念されている。
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