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亞太電信が台湾大哥大のネットワークで国内ローミングを提供、一部の事業者は反発も


台湾の移動体通信事業者であるAsia Pacific Telecom(亞太電信)はLTEサービスの開始に合わせて台湾で国内ローミングを提供している。

国内ローミングに関してはAsia Pacific TelecomとAmbit Microsystems(國碁電子)の合併案が却下となった最大の理由であり、現状で判明している内容を記載しておく。

Asia Pacific TelecomとAmbit Microsystemsは2015年6月末までに合併する方針で進められている。

Ambit Microsystemsは通称Foxconnとして知られるHon Hai Technology Group(鴻海科技集団)の企業で、Asia Pacific TelecomがAmbit Microsystemsを吸収する形で合併し、合併後のAsia Pacific Telecomの株式をHon Hai Technology Groupが取得することで、Hon Hai Technology GroupがAsia Pacific Telecomを通じて移動体通信事業に参入することを狙う。

Hon Hai TechnologyはAsia Pacific Telecomを傘下とする前に、台湾の移動体通信事業者であるTaiwan Mobile(台湾大哥大)と戦略的提携を締結し、Hon Hai TechnologyによるTaiwan Mobileへの出資とTaiwan Mobileによる統合後のAsia Pacific Telecomへの出資を約束している。

また、出資だけではなく周波数の売却や国内ローミングも締結内容に含まれており、これが大きな問題となっている。

Asia Pacific TelecomとAmbit MicrosystemsはLTE用の周波数オークションでそれぞれ別企業として周波数を獲得しており、統合によって1社当たりが保有できる最大の周波数を超えてしまうため、余った周波数をTaiwan Mobileに売却することで決まった。

売却する周波数はAmbit Microsystemsが保有するTaiwan Mobileの周波数と隣接した5MHz幅となる。

Taiwan MobileはTaiwan Mobileが保有する周波数と隣接した周波数を買い取ることで連続した20MHz幅でLTEサービスの利用が可能となり、Taiwan Mobileとしても有利である。

弱小の移動体通信事業者であり3GサービスはCDMA2000方式を採用するAsia Pacific TelecomはCDMA系からGSM系への早期転換も狙っており、LTEサービスの開始に伴いTaiwan Mobileのネットワークで国内ローミングを開始することが締結内容に盛り込まれた。

国内ローミングはすでに開始しており、実際にTaiwan Mobileが提供するFDD-LTE 1800(B3)/700(B28) MHz, W-CDMA 2100(I) MHzをAsia Pacific TelecomのSIMカードで利用できることを確認した。

Taiwan MobileのGSMネットワークには接続できないため注意しておきたい。

Asia Pacific TelecomのLTE対応プリペイドSIMカードは完全にGSM系となっており、CDMA2000方式の利用は不可で、またAsia Pacific TelecomのLTEネットワークを手動で選択しても接続できず、完全にTaiwan Mobileのネットワークを利用している。

周波数としてはAsia Pacific TelecomとTaiwan MobileはFDD-LTE 700(B28) MHzが共通しているものの、Asia Pacific Telecomの周波数範囲に対応し、Taiwan Mobileの周波数範囲に非対応の端末で接続を試行したところ、FDD-LTE 700(B28) MHzへの接続が認められなかったため、少なくともAsia Pacific Telecomが販売するLTE対応プリペイドSIMではAsia Pacific Telecomのネットワークを利用できないと言える。

なお、接続先はブランド名のGt 4Gと表示されることもあるため、端末上ではAsia Pacific TelecomのLTEネットワークに接続しているように見えるが、実際はPLMN番号が466-97のTaiwan Mobileのネットワークに完全に接続されており、Asia Pacific TelecomのLTEネットワークと表記するのは完全な誤りで、Taiwan MobileのLTEネットワークと表記するのが正しい。

Asia Pacific TelecomはLTEサービスの開始と同時にCDMA2000方式に非対応のスマートフォンも数多く投入しており、国内ローミングの範囲を逸脱しているとの意見が他の移動体通信事業者などから出ている。

実際にAsia Pacific TelecomのPLMN番号である466-05でもLTEネットワークを飛ばしているが、エリアは圧倒的にTaiwan Mobileの方が広く、Taiwan Mobileのネットワークに依存していることが現状で、3GについてはそもそもAsia Pacific Telecomのネットワークを使う気がないとも読み取れる。

一部のAsia Pacific Telecomの販売店ではTaiwan Mobileの屋内基地局を設置しており、高速な通信をアピールしているケースもある。

現在はAsia Pacific TelecomがFDD-LTE 700(B28) MHzの10MHz幅を使用するため通信速度は下り最大75Mbps、Taiwan MobileはFDD-LTE 700(B28) MHzの15MHz幅とFDD-LTE 1800(B3) MHzの5MHz幅を使用するためキャリアアグリゲーションを適用しない場合は下り最大112.5Mbpsとなる。

Taiwan Mobileの屋内基地局を設置してTaiwan Mobileのネットワークを掴ませることで、通信速度を測定すると本来はAsia Pacific Telecomのネットワークでは実現できない100Mbpsを超える速度も出せる。

また、Taiwan Mobileのネットワークを利用することで、GSM系の端末の販売が可能となり、Asia Pacific Telecomの端末ラインナップはこれまでと比べて大幅に充実しており、Asia Pacific Telecomと底辺で争っているTaiwan Star Telecom(台湾之星電信)にとっては大きな脅威であり、Taiwan Star Telecomはこの件に反発している。

Asia Pacific Telecomによると、国内ローミングは両社が合意すれば規則に違反しないと主張しているが、この件が不明瞭であることを理由に国家通訊伝播委員会(NCC)はAsia Pacific TelecomとAmbit Microsystemsの合併案が却下されている。

国家通訊伝播委員会はAsia Pacific Telecomに国内ローミングに関する詳細な資料の提出を求めており、正常な国内ローミングの範囲と認められるかどうかは国家通訊伝播委員会の判断に委ねられることになりそうである。

Asia Pacific TelecomとAmbit Microsystemsの統合が認められ、Taiwan MobileがAmbit Microsystemsから取得した5MHz幅を追加して連続した20MHz幅で提供するようになれば、売却した周波数の分も売却元が利用できることになる。

この策略はさすが世界のFoxconnといったところである。

次は台湾で2.6GHz帯の周波数オークションが待っているが、これまでとは異なる規制が盛り込まれることは必至と思われる。

個人的な意見として、Asia Pacific TelecomはGSM系のSIMカードの販売が可能となったことでLTE対応プリペイドSIMの販売も実現したため、歓迎したいところではある。

ただ、Asia Pacific TelecomはTaiwan Mobileのネットワークを食うことになるので、Taiwan Mobileの既存ユーザによる不満や、競合他社による反発が出てくることは当然だろう。

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