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KDDI研究所が60GHz帯とLTEを協調動作させる通信方式を開発



KDDI研究所は60GHz帯とLTEが協調動作してデータを転送する新しい通信方式を開発したと発表した。

総務省の電波資源拡大のための研究開発であるミリ波帯ワイヤレスアクセスネットワーク構築のための周波数高度利用技術の研究開発の一環で開発された通信方式である。

60GHz帯は60GHzを中心として世界中において免許不要で利用可能な周波数帯となっており、日本国内では57~66GHzの周波数帯域が該当する。

これまで60GHz帯は1Gbps以上の広帯域伝送路を提供できる一方で、遠くまで電波が届きにくいことから移動体通信サービスでの利用は難しいとされてきたが、60GHz帯通信とLTEを強調させることによって60GHz帯の高速回線を十分に活用できる通信方式を考案し、OSにAndroidを採用した端末において動作させることに成功したという。

この新たに考案された通信方式ではエリア構築が困難な高周波数帯に対して移動体通信サービスへの応用が期待できるとしている。

高周波数帯は5Gのために世界各国で研究開発が進められており、高周波数帯のミリ波に関する研究が活発となっている。

高周波数帯では広いエリアのカバーが困難で、解決策としてはLTEのような広域通信による補完が考えられるが、高周波数帯とLTE通信の切り替えの時間を要して継続的な通信を実現できない課題があり、また基地局とインターネットを結ぶ有線区間の回線速度が原因で、ユーザが十分に速い通信速度を体感できない課題も挙げられている。

そこで、課題を解決するために60GHz帯通信とLTEを強調動作させる通信方式を開発し、主な技術的ポイントはユーザが今後必要とするコンテンツを先回りさせるシステムの開発、新しいネットワークアーキテクチャ技術として研究が進められているCCN(Content Centric Networking)技術を使用したことの2点となっている。

60GHz帯のエリアに入ってから通信を確立するための制御信号のやり取りを行う場合、60GHz帯のエリアに入ってすぐにデータ転送ができないため、LTEエリアであらかじめユーザが到達するであろう60GHz帯エリアを予測して必要なコンテンツを先回りダウンロードさせることで、60GHz帯エリアに入ってすぐにダウンロードを開始できるという。

また、CCNによってこれまで複数のネットワークを利用する際に課題とされていたサーバとの接続性やネットワーク間の切替えが必要なく、60GHz帯とLTEで最適なデータ転送をシームレスに結合することを可能とし、更にネットワークが現在転送しているコンテンツを知ることが可能となり、それに基づいて先回りさせるコンテンツを容易に決定できるとしている。

新しい通信プロトコルを設計してLinux OSおよびAndroid OS上に実装し、CMOS LSIを用いた60GHz帯ミリ波無線プロトタイプを使用してLTEと60GHz帯を強調させて動画のダウンロード再生ができることを確認したとのことである。

ユーザ側が60GHz帯とLTEを意識することなく利用可能で、大容量データのダウンロードの高速化やLTEのトラヒックの60GHz帯へのオフロードを実現し、LTEネットワークの混雑をさけることが可能となる。

また、実機を用いた検証試験の結果ではダウンロード時間をLTEのみ利用の場合と比較して5分の1以下にまで削減し、LTEのトラヒックを最大で約90%も60GHz帯にオフロード可能であることを確認したという。

KDDI研究所

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