ロシア鉄道子会社が北朝鮮のスター合弁会社にインターネット接続を提供
- 2017年10月03日
- DPRK
ロシアの大手通信事業者であるCompany TransTeleCom (以下、TTK)は朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)の独占的なインターネットサービスプロバイダ(ISP)であるSTAR JOINT VENTUREにインターネット接続の提供を開始したことが分かった。
TTKは2017年10月1日の17時38分(平壌時間)頃よりSTAR JOINT VENTUREにインターネット接続の提供を開始したという。
これまで2012年からの約1年間を除いて、事業開始当初よりSTAR JOINT VENTUREには中国の主要な通信事業者であるChina United Network Communications (中国聯合網絡通信:以下、China Unicom)のみがインターネット接続を提供していたが、TTKがインターネット接続の提供を開始したことで、STAR JOINT VENTUREは冗長性を確保したことになる。
なお、2012年からの約1年間は米国の衛星通信事業者であるIntelsatもSTAR JOINT VENTUREにインターネット接続を提供していた。
TTKはロシア国営で同国の鉄道事業者であるRussian Railways (ロシア鉄道:以下、RZD)の子会社で、RZDがTTKの株式99.99%を保有する。
ロシアで最大規模の光ファイバ回線を運営および管理する企業で、これまで北朝鮮の羅先特別市と国境を接するハサン地区まで鉄道網に沿って光ファイバ回線を敷設していることが分かっていた。
STAR JOINT VENTUREは香港特別行政区のLoxpac Hong Kongと北朝鮮の国営企業であるKorea Posts and Telecommunications Corporation (朝鮮逓信会社:以下、KPTC)が共同出資する合弁会社で、出資比率はLoxpac Hong Kongが70%、KPTCが30%である。
北朝鮮で2010年10月10日より独占的なインターネットサービスプロバイダとして事業を開始しており、15年間の独占権、すなわち2025年までの独占権を保有する。
Loxpac Hong Kongはタイの通信事業者であるLoxleyの関連会社で、LoxleyはLoxpac Hong Kongを通じてSTAR JOINT VENTUREに出資、タイのLoxpac (Thailand)を通じて北朝鮮のNorth East Asia Telephone and Telecommunications (東北アジア電話通訊会社:NEAT&T)に出資するなど、北朝鮮の電気通信分野へ積極的に投資している。
KPTCは北朝鮮の政府機関で電気通信分野などを管轄する逓信省(Ministry of Posts and Telecommunications:MPT)が所有する企業で、北朝鮮におけるすべての電気通信事業に関与する。
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北朝鮮・羅先特別市から眺めたロシア・ハサン地区および中国・琿春市の国境地帯
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