韓国の携帯電話事業者3社が端末販売と回線契約の分離に賛成、サムスン電子は難色を示す
- 2017年11月01日
- 海外携帯電話
韓国で端末販売と回線契約の分離に関して議論が進められているが、韓国の携帯電話事業者であるSK Telecom、KT、LG Uplus (LG U+)は端末販売と回線契約の分離に肯定的な立場を示し、韓国の政府機関で電気通信分野などを管轄する科学技術情報通信部(Ministry of Science and ICT:MSIT)や端末メーカーのSamsung Electronicsは慎重な議論が必要との立場を示したことが分かった。
韓国政府やSamsung Electronicsは携帯電話事業者と対照的な姿勢を見せたと報じられている。
韓国では国会科学技術情報放送通信委員会の科学技術情報通信部総合国政監査にSK Telecom、KT、LG Uplus、科学技術情報通信部、Samsung Electronicsの幹部が相次いで出席し、端末販売と回線契約を分離する端末完全自給制に関する意見を述べた。
SK Telecomの社長は「端末完全自給制の導入を積極的に検討中。」と肯定的な見解を示した。
また、通信費負担の軽減を達成できることが前提としながら、「正確な予測は難しいが、(端末完全自給制が導入されれば)端末と(通信サービスが)分離されて競争する効果が起きると思われる。」と予測している。
KTの会長は「端末完全自給制は携帯電話事業者と端末メーカーがそれぞれ善意の競争を通じて、国民の通信費負担を減らすために肯定的な効果があり、完全に同意する。」と端末完全自給制の導入に賛成した。
ただ、「突然の制度変化に伴う流通網の被害は最小限にしなければならない。」と販売店や端末メーカーへの配慮も見せた。
LG Uplusの副会長は「端末完全自給制の導入は固定化された通信市場の競争を高める契機になるだろう。」と競争促進に有効との考え方を述べた。
KTの会長と同じく販売店や端末メーカーへの配慮についても言及しており、「利害関係が複雑であるため、被害者が出ないよう政府が配慮すればよい」と韓国政府に一任する方針を示した。
Samsung Electronicsの無線電子部長は「端末完全自給制にはいくつかの問題が絡み、この場で同意または反対の立場を明確化するより、さらなる議論が必要な事案。」と表明し、端末完全自給制に賛成や同意を示した携帯電話事業者とは異なり慎重な姿勢を見せた。
また、「議論の機会が与えられるのであれば、Samsung Electronicsも積極的に参加して意見を出す。」と端末完全自給制の是非に関して積極的に議論する意向を明確化した。
科学技術情報通信部の長官もSamsung Electronicsと近い意見で、「端末完全自給制が導入されれば、25%の料金割引がなくなるだけではなく、端末メーカー、携帯電話事業者、代理店、特に消費者への影響が想定できるため、国会と緊密に議論しなければならない。」と慎重な姿勢である。
端末完全自給制を導入すれば携帯電話事業者は端末販売をやめて回線契約を引き受けることになり、Samsung ElectronicsやLG Electronicsなどの端末メーカーは自社の小売店や家電量販店などの流通業者を通じて端末の販売を行うことになる。
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