エジプトのGlobal Telecom、VEONからの中核事業買収の提案を承認
- 2019年08月20日
- 海外携帯電話
エジプトのGlobal Telecom Holding (GTH)の取締役会は同社の親会社で英領バミューダ諸島のVEONが提出した中核事業の買収の提案を承認したと発表した。
VEONはオランダに本社機能を設置しており、完全子会社でオランダのVEON Holdingsを通じてGlobal Telecom Holdingの発行済み株式の98.24%を保有する。
VEONはGlobal Telecom Holdingが保有するバングラデシュのBanglalink Digital Communications、パキスタンのPakistan Mobile Communications、アルジェリアのOptimum Telecom Algeria、パキスタンのMobilink Microfinance Bankの買収を提案しており、買収額はそれぞれ249億1,600万バングラデシュタカ(約313億7,015万円)、3,133億3,500万パキスタンルピー(約2,079億5,191万円)、701億9,500万アルジェリアディナール(約622億191万円)、147億4,100万パキスタンルピー(約97億8,329万円)を提示したという。
Global Telecom Holdingの取締役会はVEONの提案を承認し、VEONが申し出た金額で中核事業をVEONに売却する計画である。
Banglalink Digital Communications、Pakistan Mobile Communications、Optimum Telecom Algeriaは移動体通信事業者(MNO)であり、それぞれブランド名をBanglalink、Jazz、Djezzyとして展開している。
VEONとしてはGlobal Telecom Holdingを通じてGlobal Telecom Holdingの中核事業を保有していたが、直接的に保有して支配力を強化するほか、企業構造をより簡素化する狙いがある。
VEONは旧社名がVimpelComで、本社機能はオランダに設置している。
ロシア、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、アルメニア、ジョージア、ウクライナで移動体通信事業を手掛け、そのうちウクライナ以外ではVEONの代表的なブランドであるBeelineのブランド名で展開する。
また、Global Telecom Holdingは旧社名がOrascom Telecom Holding (OTH)で、VimpelComの時代にVEONの買収によってOrascomの名称が使用不可となり、社名をGlobal Telecom Holdingに変更した経緯がある。
Orascom Telecom Holdingの時代には朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)、レバノン、エジプトでも移動体通信事業を展開していたが、北朝鮮、レバノン、エジプトの移動体通信事業はVEONが取得せず、Global Telecom Holdingの創業者らが新設したエジプトのOrascom Telecom Media and Technology Holding (OTMT)に移管された。
なお、Orascom Telecom Media and Technology Holdingはエジプトの移動体通信事業からは撤退し、社名はOrascom Investment Holding (OIH)に変更している。
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