北朝鮮のkoryolink (高麗網)、携帯電話サービス商用化から11周年

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朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)の移動体通信事業者(MNO)である「CHEO Technology JV Company (逓オ技術合作会社)」は移動体通信サービスの商用化から11周年を迎えた。

エジプトのOrascom Telecom Holding (OTH、当時)と北朝鮮の政府機関で電気通信分野の規制を担う逓信省(Ministry of Posts and Telecommunications：MPT)が完全所有する国営企業のKorea Posts and Telecommunications Corporation (朝鮮逓信会社：KPTC)が2007年5月に合作会社としてCHEO Technology JV Companyを設立した。

設立時の出資比率はOrascom Telecom Holdingが75%で、Korea Posts and Telecommunications Corporationが25%である。

CHEO Technology JV Companyは北朝鮮の首都・平壌直轄市に位置する普通江ホテル内の事務所を登記上の本店所在地として設立および事業を開始し、2008年1月24日には逓信省と「WCDMA 移動通信奉仕提供及び運営許可合意書」の締結に至り、これが事実上の第3世代移動通信システム(3G)のW-CDMA方式による移動体通信事業の免許となる。

そして、2008年12月15日に人民文化宮殿で記者会見を開催し、W-CDMA方式の2.1GHz帯(Band I)を使用して移動体通信サービスを商用化した。

ブランド名は「koryolink」で、朝鮮語のブランド名として「高麗網(고려망)」も存在する。

北朝鮮で社会主義国家建設の象徴とされる千里馬をモチーフとしたロゴを採用し、スローガンは「もっと高く もっと速く！」と定めている。

2008年12月15日にはCHEO Technology JV Companyの中心的な事業拠点が入る国際通信局(INTERNATIONAL COMMUNICATION CENTRE)で記念式典も開催しており、国際通信局にはCHEO Technology JV Companyの直営店が入居するほか、ネットワークの管理やコールセンターの運営など様々な業務も集約されている。

なお、Orascom Telecom Holdingはオランダに本社機能を置く英領バミューダ諸島のVimpelCom (当時)に買収されたが、VimpelComはCHEO Technology JV Companyなど一部の事業を買収対象に含まず、VimpelComが取得しない事業は一時的なVimpelComの所有を経て新設されたエジプトのOrascom Telecom Media and Technology Holding (OTMT、当時)に移管した。

2019年12月15日時点でOrascom Telecom HoldingはGlobal Telecom Holding (GTH)、VimpelComはVEON、Orascom Telecom Media and Technology HoldingはOrascom Investment Holding (OIH)に社名を変更している。

また、CHEO Technology JV Companyに対する持分はOrascom Investment Holdingが75%となり、残りの25%は変わりない。

国際連合安全保障理事会(United Nations Security Council)で採択された決議によって北朝鮮と関係する合弁事業などは一部の例外を除いて原則として認められていないが、Orascom Investment Holdingは継続に必要な許可を取得したため、CHEO Technology JV Companyの事業は継続できる。

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千里馬をモチーフとしたkoryolinkのロゴ

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国際通信局内のkoryolinkの店舗