北朝鮮、携帯電話に関する移動通信法を制定へ
- 2020年12月06日
- DPRK
朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)で朝鮮民主主義人民共和国 移動通信法(以下、移動通信法)を制定することが分かった。
北朝鮮では2020年12月4日に首都・平壌直轄市の中区域に所在する万寿台議事堂で最高人民会議常任委員会第14期第12回総会を開催した。
総会では複数の議案が上程されており、議案のひとつに移動通信法の採択が含まれる。
また、最高人民会議法制委員会で審議された移動通信法の基本内容に関する説明も行い、移動通信法の概要が判明している。
移動通信法には移動通信施設の建設と管理運営、移動通信網の近代的な完備、移動通信の多種化、多様化の実現、移動通信奉仕と利用、移動通信設備の登録をはじめとした移動通信事業において提起される原則的問題が反映されたという。
その他の詳細は言及していない。
総会では上程された移動通信法を含めた4の法案に対する真摯な研究、討議に基づいて、4の法案を採択することに関する最高人民会議常任委員会の政令が全員一致で採択された。
なお、移動通信法の正式な朝鮮語表記は조선민주주의인민공화국 이동통신법となる。
移動通信施設は携帯電話用基地局を含めた移動通信網の運営管理に必要な施設、移動通信奉仕は携帯通信サービス、移動通信設備はスマートフォンやフィーチャーフォンを含めた携帯電話機を意味する。
北朝鮮では移動通信設備を使用するためには国際移動体装置識別番号(International Mobile Equipment Identity:IMEI)の登録を実施するなど、すでに移動通信事業は厳格な規則に基づき運用しているが、移動通信法を制定して移動通信事業全般の運用体制を強化する見込みである。
移動通信網の拡大や高度化、移動通信の利活用の多様化および普及の促進などを目指すと思われる。
参考までに、北朝鮮で移動通信施設を所有して移動通信網を運営管理する移動体通信事業者(MNO)はCHEO Technology JV Company (逓オ技術合作会社)およびKorea Posts and Telecommunications Corporation (朝鮮逓信会社:KPTC)の2社が存在し、CHEO Technology JV Companyはkoryolink (高麗網)、Korea Posts and Telecommunications CorporationはKANGSONG NET (強盛網)として移動通信事業を行う。
いずれも通信方式は第3世代移動通信システム(3G)のW-CDMA方式を導入した。
移動通信設備の主要な製造事業者としてはArirang (アリラン)を展開するArirang IT Exchange Company (アリラン情報技術交流社)、Pyongyang (平壌)を展開するChecom Technology Joint Venture Company (逓コム技術合営会社)、JINDALLAE (チンダルレ)を展開するMangyongdae Information Technology Company (万寿台情報技術社)、Phurun Hanul (プルンハヌル)を展開するPhurun Hanul Corporation (プルンハヌル連合会社)、Kiltongmu (キルトンム)を展開するKwangya Trading Corporation (広野貿易会社)、Cholryong (鉄嶺)を展開するPotonggang New Technology Development Centre (普通江新技術開発所)が存在する。
直営店または代理店を通じてスマートフォンを中心とした携帯電話機を販売している。
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