総務省が2020年末時点の携帯電話契約数を公表、5G契約数は大幅増加
- 2021年03月21日
- 携帯電話総合
総務省(Ministry of Internal Affairs and Communications:MIC)は電気通信事業報告規則(昭和63年郵政省令第46号)の規定による電気通信事業者からの報告などに基づき2020年度第3四半期末(2020年12月末)における電気通信サービスの契約数および占有率を公表した。
携帯電話、PHS、広帯域移動無線アクセス(以下、BWA)を含めた移動系通信の契約数は前年同期比4.1%増、前期比1.0%増の約1億9,234万件で、単純合算では約2億6,667万件となった。
移動系通信のうち携帯電話の契約数は前年同期比4.6%増、前期比1.0%増の約1億9,113万件である。
携帯電話の契約数では通信世代別の内訳も判明している。
LTE方式を利用できる第4世代移動通信システム(4G)は前年同期比6.4%増、前期比0.8%減の約1億5,793万件、NR方式を利用できる第5世代移動通信システム(5G)は前期比580.9%増の約545万件となり、前期比では5Gが大幅に増加した一方で、4Gはわずかながら減少に転じた。
携帯電話の契約数のうちの通信世代別の占有率は4Gが82.6%、5Gが2.9%となり、5Gは2020年12月末に終了した四半期に初めて1%を超えた。
5GはNTT DOCOMOが2020年3月25日、KDDIおよびOkinawa Cellular Telephone (沖縄セルラー電話)が2020年3月26日、SoftBankが2020年3月27日、Rakuten Mobile (楽天モバイル)が2020年9月30日に商用化した。
最初に5Gを商用化した2019年度第4四半期より5Gが集計の対象に追加されているため、前年同期比の算出はない。
NTT DOCOMOは2020年度第3四半期の業績発表で5Gの契約数を公表し、2020年12月末時点で約141万3,000件と案内している。
公表されている数値は表示単位未満を四捨五入で表示しているため、5Gの契約数は全体で544万5,000件から545万4,999件の間、NTT DOCOMOの5Gの契約数は141万2,500件から141万3,499件の間となる。
そのため、個別に公表していないKDDIおよびOkinawa Cellular Telephone、SoftBank、Rakuten Mobileの5Gの契約数は合計で403万1,501件から404万2,499件の間と推定できる。
また、移動系通信のうちPHSの契約数は前年同期比38.0%減、前期比11.7%減の約109万件となり、BWAの契約数は前年同期比6.5%増、前期比1.0%増の約7,438万件となった。
携帯電話の契約数における事業者グループ別の占有率も判明しており、NTT DOCOMOは36.9%、KDDIグループは27.4%、SoftBankは21.4%、Rakuten Mobileは0.8%である。
仮想移動体通信事業者(MVNO)への提供に係る回線を含めると、NTT DOCOMOは42.5%、KDDIグループは31.2%、SoftBankは25.4%となり、Rakuten Mobileは0.8%で変わりない。
携帯電話の契約数および占有率から仮想移動体通信事業者への提供に係る回線を含めた2020年12月末時点のおおよその契約数を算出すると、NTT DOCOMOが約8,123万件、KDDIグループが約5,963万件、SoftBankが約4,854万件、Rakuten Mobileが約153万件と推定できる。
Rakuten Mobileは移動体通信事業者および仮想移動体通信事業者として携帯電話サービスを提供しているが、掲載の数値は移動体通信事業者として提供する携帯通信サービスの数値である。
2020年12月末に終了した四半期には5Gの契約数が大幅に増加したが、米国のAppleが同社としては初めて5Gに対応したiPhone 12シリーズのスマートフォンを2020年10月23日より順次発売したほか、Rakuten Mobileが2020年9月30日の15時30分から2020年11月末までに移動体通信事業者として提供する唯一の料金プランであるRakuten UN-LIMITを5Gに対応したRakuten UN-LIMIT Vにアップグレードしたことなどが主な要因と考えられる。
なお、KDDIグループにはKDDIと同社の連結子会社で沖縄県の事業を行うOkinawa Cellular Telephoneが含まれる。
スポンサーリンク
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。