NEC傘下のOCC、ネパールのSmart Telecomを買収か (訂正あり)
- 2021年04月25日
- 海外携帯電話
NEC Corporation (日本電気)の連結子会社であるOCC Corporationはネパールの移動体通信事業者(MNO)であるSmart Telecomの買収を検討していることが分かった。
ネパールを拠点とする複数の報道機関が伝えており、OCC CorporationとSmart Telecomは2021年2月末にOCC CorporationがSmart Telecomを買収する売買契約を締結したという。
OCC Corporationは120億ネパールルピー(約108億4,442万円)でSmart Telecomを買収する方針と伝えられている。
ネパールには5社の移動体通信事業者が存在するが、加入件数を基準にSmart Telecomはネパールで3番目の規模となる。
ただ、2021年1月時点で加入件数の占有率は上位の2社で94.32%を占めており、Smart Telecomは5.67%、残りの2社はわずか0.01%にとどまる。
2020年5月時点でSmart Telecomの加入件数は2,141,117件、このうち第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式の加入件数は182,545件であることが分かっている。
Smart Telecomは2008年7月1日に設立した民間企業で、第2世代移動通信システム(2G)のGSM方式を導入した。
第3世代移動通信システム(3G)の導入は見送り、2017年10月29日にLTE方式を導入したが、加入件数の伸び悩みなどを受けて免許更新料や周波数使用料など各種費用の40億ネパールルピー(約36億1,481万円)をネパール政府に支払えない状況となっている。
このような状況を受けて、ネパールの政府機関で電気通信分野の規制を司るネパール電気通信庁(Nepal Telecommunications Authority:NTA)は理事会を開催してSmart Telecomに対して付与した免許を取り消すことを決めた。
ネパールの政府機関で電気通信行政を担う通信情報技術省(Ministry of Communication and Information Technology:MoCIT)はネパール電気通信庁の決定に従いSmart Telecomに対して付与した免許の取り消しを提案したが、ネパールの内閣は2021年1月4日に開催した内閣会議で免許の取り消しを承認せず、2回に分割して各種費用を支払うことを許可する決定を下した。
Smart Telecomの株式はネパール政府の許可なしでは売却できないほか、OCC CorporationはSmart Telecomに対してネパール政府との問題を先に解消するよう要求しているとの情報も出ている。
なお、OCC CorporationはNEC Corporationの連結子会社である。
NEC Corporationは2008年7月15日にSumitomo Electric Industries (住友電気工業)と共同でOCC Corporationの全株式を取得した。
OCC Corporationに対する持分比率はNEC Corporationが約75%、Sumitomo Electric Industriesが約25%となっている。
OCC Corporationはネパールで事業の実績があり、ネパールの西部山岳地帯の光ファイバ網構築においてOCC Corporationの耐環境光ファイバケーブルが採用されたという。
※ 訂正とお詫び 2021年4月27日
今回の報道に関して、OCC Corporationの担当者より報道の内容は事実ではないとの回答を得られた。
そのため、OCC CorporationがSmart Telecomを買収するとの報道は事実ではないことを明確化し、ここに訂正してお詫び申し上げます。
また、OCC Corporationによるとネパールに製品を納入した実績はあるが、Smart Telecomの関係者との面識はなく、なぜこのような情報が流れたのか想像もつかない状況という。
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