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豪州で5G向けミリ波を割当、大手3社やAirspan子会社などが取得



豪州(オーストラリア)の政府機関で電気通信分野などの規制を司る豪州通信メディア庁(Australian Communications and Media Authority:ACMA)は第5世代移動通信システム(5G)向けとしてミリ波(mmWave)の割当を完了した。

対象の周波数は26GHz帯で、具体的な周波数範囲は25100~27500MHzである。

5Gを導入および運用するために使用できる周波数となる。

豪州通信メディア庁は2021年4月12日から2021年4月21日まで周波数オークションを開催して26GHz帯の割当を行い、結果を公表している。

なお、周波数を使用できる区域は豪州全土ではなく、豪州本土を27区域に分けて区域ごとに入札する形式を採用した。

帯域幅は基本的に1ロットあたり200MHz幅であるが、西オーストラリア州のパース都市圏、同州のマーガレット・リバー、タスマニア州の州都・ホバートの3区域では1ロットあたり100MHz幅に設定されている。

パース都市圏は西オーストラリア州の州都・パースを中心に周辺の自治体を含めた都市圏で、パースに限定されないことを留意しておきたい。

豪州のTelstraは全区域で合計150ロットを276,576,200豪州ドル(約231億2,440万円)、豪州のOptus Mobileは全区域で合計116ロットを226,203,100豪州ドル(約189億1,273万円)、豪州のMobile JVは全区域で合計86ロットを108,186,700豪州ドル(約90億4,543万円)、豪州のDense Air Australiaは2区域で合計2ロットを28,689,900豪州ドル(約23億9,875万円)、豪州のPentanetは2区域で合計4ロットを7,986,200豪州ドル(約6億6,772万円)で取得した。

このうち、Telstraは30ロット、Optus Mobileは20ロット、Mobile JVは16ロット、Pentanetは4ロットがパース都市圏、マーガレット・リバー、ホバートまたはいずれかの区域となっている。

全区域で26GHz帯を取得したTelstraおよびOptus Mobileは豪州の移動体通信事業者(MNO)である。

Mobile JVは豪州の移動体通信事業者であるTPG Telecomの子会社であるため、豪州の大手3社の移動体通信事業者が全区域で26GHz帯を取得したことになる。

豪州のVodafone Hutchison Australia (当時)と豪州のTPG Telecom (旧)が統合で合意してからはMobile JVを通じて周波数の取得を行うが、すでにVodafone Hutchison AustraliaおよびTPG Telecom (旧)の統合を完了しており、Vodafone Hutchison Australiaは社名をTPG Telecomに変更した。

Dense Air Australiaは米国のAirspan Networksの子会社である英国のDense Airの豪州法人で、carrier of carrierとして既存の移動体通信事業者とは競合せず、卸売専業の移動体通信事業者として展開する計画である。

高トラヒックエリアが多く周波数の需要が高い主要都市に注力する方針であるため、26GHz帯の取得はニューサウスウェールズ州の州都・シドニーおよび同州のバサースト、ビクトリア州の州都・メルボルンおよび同州のバララットの2区域に限定している。

シドニーおよびメルボルンは豪州の2大都市で、周波数の割当ではシドニーおよびバサーストが1区域、メルボルンおよびバララットが1区域の扱いとなる。

Pentanetは固定通信事業者で、パース都市圏に含まれるバルカッタに本社が所在する。

26GHz帯はパース都市圏およびマーガレット・リバーの2区域に限定して取得しており、主要な拠点である西オーストラリア州に限り5Gを展開する計画である。

26GHz帯の有効期間は2021年から2026年まで15年間となっている。

5Gの無線方式としてNR方式を導入する場合、NR BandはFR2のn257も一部の周波数範囲が重なるが、基本的にFR2のn258を導入する見込み。

Telstraは試験用途で割当を受けた26GHz帯を商用で使用する許可を得ており、シドニーの1ヶ所とクイーンズランド州のゴールドコーストの2ヶ所に限定して商用で26GHz帯を使用している。

Telstraはn258として運用していることからも、n258の採用が決定的となっている。

また、Telstraは正式に26GHz帯を取得したことで、ようやく正式に26GHz帯の5Gを商用化できることになる。

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