英VodafoneがオープンRAN網の構築に向けてベンダ選定、NECなどを採用
- 2021年06月15日
- 海外携帯電話
英国のVodafone Groupおよび同社の完全子会社で英国の移動体通信事業者(MNO)であるVodafoneはオープン無線アクセスネットワーク(オープンRAN)を適用したネットワークの構築に向けて通信設備などのベンダを選定したと発表した。
オープンRANネットワークを構築するために、日本のNEC Corporation (日本電気)、韓国のSamsung Electronics (サムスン電子)、米国のDell Technologies、米国のWind River Systems、米国のKeysight Technologies、フランスのCapgemini Serviceと協力するという。
まずは2020年10月に計画を公表した英国の2,500ヶ所でオープンRANネットワークを構築する予定で、VodafoneがNEC Corporation、Samsung Electronics、Dell Technologies、Wind River Systemsと協力して構築する。
欧州では最初かつ世界最大規模のオープンRANネットワークのひとつを構築する計画である。
大規模なオープンRANネットワークを商用展開することで、欧州全体のデジタル変革の次の波を先導できると確信すると表明している。
さらに欧州委員会(European Commission:EC)や欧州連合(European Union:EU)の加盟国政府から産業政策上の支援なども受けて、オープンRANの採用に伴いより多くの新興企業を含めた欧州企業の参入を実現できると期待感を示した。
また、Vodafoneと提携企業によって開拓されたオープンRANは多様でオープンなベンダのエコシステムを通じて大きな革新を推進するほか、安全で将来の費用対効果が高く、顧客中心のネットワークを整備できるという。
無線アクセスネットワーク(RAN)を構成する通信設備のうち大規模MIMO (Massive MIMO)に対応したアンテナ一体型無線装置をNEC CorporationおよびSamsung Electronicsが提供する。
RANの供給ではSamsung Electronicsが中心的な存在となり、リファレンスRANソフトウェアプロバイダとしても機能することになる。
Samsung Electronicsは個別にVodafoneとの提携に関して発表しており、大規模MIMOに対応したアンテナ一体型無線装置を含めたO-RANに準拠した第4世代移動通信システム(4G)および第5世代移動通信システム(5G)のRANを提供すると案内している。
低い周波数から中間の周波数に対応したRANおよび商用の仮想化無線アクセスネットワーク(vRAN)ソリューションを提供する計画を明確化した。
なお、O-RANの技術仕様はオープンRANの仕様策定を推進する標準化団体であるO-RAN Allianceで策定された技術仕様となる。
O-RANの技術仕様に準拠すると異なるベンダの無線装置と基地局制御装置を組み合わせることができる。
そのため、O-RANの採用によって柔軟なネットワークの構築が期待されている。
Vodafone Groupは英国のほかに欧州およびアフリカを中心として多くの国と地域に参入し、携帯通信事業を展開している。
英国以外の欧州およびアフリカの各国でもオープンRANを採用する計画である。
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