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レバノンのOgero、新たに4地域で通信サービスを停止



レバノンの政府機関で国営の通信事業者であるOgeroは2021年6月19日に4地域で新たに通信サービスの提供を停止したことが分かった。

Ogeroは2021年6月10日以降に複数の地域で通信サービスの提供を停止しており、すでに一部の地域では復旧しているが、2021年6月19日には新たに4地域で停止したことを案内している。

2021年6月19日に停止した地域はアッカール県のアクルームおよびアリダ、山岳レバノン県のカルダおよびマジダル・マウシュの4地域である。

Ogeroの説明によると発電機の需要の高まりを受けて、4地域の交換局で電力の供給に問題が発生したことが原因という。

交換局の停電が通信サービスの提供を停止した直接的な原因と考えられる。

Ogeroの技術部門は問題の解決のための取り組みを開始したと発表しているが、復旧の予定などは公表していない。

レバノンでは全土で電力の供給不足が発生しており、送電網を通じた安定的な電力の確保が難しい。

そのため、Ogeroは発電機を配備して電力の確保に努めてきたが、電力の供給不足の深刻化とともに発電機の稼働率が上昇し、発電機が故障および停止する頻度も増加している。

レバノンでは発電機や発電機の稼働に必要な燃料などを輸入に頼る中で、レバノンの法定通貨であるレバノンポンド(LBP)の大幅な下落と外貨不足に伴いあらゆる品目の輸入が困難となり、Ogeroは発電機や燃料を十分に確保できていない。

また、レバノン政府の財政状況が深刻化する中で、レバノン政府が所有するOgeroも設備投資が困難となっている。

送電網の代替手段として配備した発電機が停止すると、もはや代替手段を用意できないため、交換局への電力の供給が停止して停電が発生し、通信サービスの提供を停止する事態に至った。

Ogeroの会長によると送電網を通じた電力の供給時間はレバノンの多くの地域で1日あたり6時間未満となり、停電の時間が長期化している状況という。

なお、Ogeroは固定通信事業を専門的に展開する通信事業者である。

固定通信用途で第2世代移動通信システム(2G)のGSM方式、第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式、第5世代移動通信システム(5G)のNR方式を導入した。

NR方式はLTE方式と連携して動作するノンスタンドアローン(NSA)構成のOption 3で運用しており、通信設備は中国のHuawei Technologies (華為技術)より調達している。

5Gはベイルート-ラフィク・ハリリ国際空港(BEY)に限定して導入し、ほかの場所では基本的に2Gまたは4Gとなる。

ベイルート-ラフィク・ハリリ国際空港はレバノンの首都・ベイルート市の近郊に所在しており、実際の所在地は山岳レバノン県である。

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