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楽天モバイルがn77基地局の一部を高出力化、サブ6の5Gエリアを拡大



Rakuten Mobile (楽天モバイル)はサブ6GHz帯の第5世代移動通信システム(5G)に対応した基地局の一部を高出力化したことが分かった。

Rakuten Mobileは2021年6月30日付けでエリアマップを更新しており、2021年6月14日時点のデータを反映した。

一部の地域では基地局の開設数に変わりなく、サブ6GHz帯の5Gのカバレッジを拡大したことを確認できる。

Rakuten Mobileの広報部に確認したところ、一部の基地局において出力を上げたため、エリアマップに反映しているとの回答を得られた。

したがって、サブ6GHz帯の5Gに対応した基地局の一部を高出力化したため、カバレッジを拡大したことが分かる。

5Gの無線方式はNR方式で、サブ6GHz帯では3.7GHz帯の周波数を使用しており、NR BandはFR1のn77となる。

n77の基地局を構成する無線装置はアンテナ一体型で、NEC Corporation (日本電気)から調達している。

型番はMB5420-m577で、総務省(Ministry of Internal Affairs and Communications:MIC)が運用する電波利用ホームページで工事設計認証の情報を確認すると、出力は0.2~63Wとなっている。

電波利用ホームページで無線局免許状等情報を参照すると、Rakuten Mobileが滋賀県草津市で取得したn77の無線局免許は2局で、最大出力は654mWと189Wが存在する。

無線局免許状等情報では全セクタの最大出力合計が記載されており、いずれも3セクタであるため、1セクタあたりの最大出力は前者が218mW、後者が63Wとなる。

後者の場合は無線装置の仕様上の最大出力で運用できることになる。

草津市では1局が2021年7月上旬時点でも未開局で、もう1局が2021年3月末から2021年4月初め頃に開局かつ2021年6月14日までにカバレッジを拡大した。

草津市内で開局したn77の基地局は全セクタの最大出力合計が189Wの方で、2021年6月14日までに出力を上げたと推測できる。

干渉検討の結果などを考慮して各局で最大出力が異なり、さらに必ずしも最大出力で運用しているとは限らないが、草津市で開局したn77の基地局は高出力化の準備が整い、出力を上げてカバレッジを拡大したと思われる。

実際に高出力化に伴いカバレッジが拡大した場所に行くと、確かに5Gで通信できた。

n77の基地局から数百mほど離れて基地局が見えなくなり、従来は5Gで通信できない場所でも5Gで通信できることを確認した。

ただ、当然ながら基地局から離れると通信速度は低下し、下りの通信速度は基地局から約20mの場所であれば1Gbps前後を記録するが、例えば300mほど離れた場所では600Mbps前後となった。

また、エリアマップ上では5Gのエリアでも建物などの遮蔽物があれば5Gで通信できなくなる場合があるなど、必ずしもエリアマップ通りではなかった。

3.7GHz帯の周波数を使用するため、遮蔽物が存在する場合は5Gで通信できなくなる場合があることに留意しておきたい。

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