JR東日本、5G基地局シェアリング事業参入を検討か
- 2022年09月23日
- 携帯電話総合
East Japan Railway Company (東日本旅客鉄道:JR東日本)は第5世代移動通信システム(5G)の基地局シェアリング事業に参入することを検討している模様であることが分かった。
これまでに、JR東日本は2022年7月26日付けでDSP Researchを通じてART3702の電波法に基づく工事設計認証を取得したことが判明している。
ART3702は証明規則第2条第11号の29に規定する特定無線設備として工事設計認証を取得したため、TD-5G-NR(サブ6GHz帯)用基地局となる。
すなわち、JR東日本がサブ6GHz帯(Sub6)のTDDの周波数に対応した5Gの基地局の工事設計認証を取得したことになる。
ART3702と同一の型番規則を適用した基地局としてはART3701 RF伝送システムなどが存在する。
ART3701 RF伝送システムは最初にSumitomo Corporation (住友商事)が申請者として工事設計認証を取得し、その後にSumitomo Corporationの子会社であるSharing Designも申請者として工事設計認証を取得したことを確認できる。
また、NTT DOCOMOはART3501、KDDIはART3501T、ART3701T、ART3702T、SoftBank Corp.はART3501を型番に含む基地局の工事設計認証を取得しており、Sumitomo CorporationおよびSharing Designが開発を主導し、携帯電話事業者各社で共用する設備と思われる。
Sharing Designは2021年2月22日に設立した会社で、出資比率はSumitomo Corporationの完全子会社であるSC5Gが80%、Tokyu Corporation (東急)が20%となっている。
主要事業は基地局シェアリング事業である。
基地局シェアリング事業の一環で共用装置および共用アンテナを構成する5G共用アンテナシステムを開発しており、5G共用アンテナシステムを鉄道施設や商業施設などに設置して携帯電話事業者各社に貸出を行う。
日本全国の自治体や商業施設事業者に加えて、鉄道事業者とも協力を検討している。
JR東日本が工事設計認証を取得した基地局は型番規則からSharing Designが開発したと思われるが、申請者はJR東日本であるため、JR東日本が深く関係していると考えられる。
JR東日本としては同社が所有する鉄道施設の構内で5Gを整備する方法のひとつとして、基地局シェアリング事業に参入を検討することは十分に想定できる。
Sharing Designと連携してJR東日本が5G共用アンテナシステムを所有および展開することを検討していると思われる。
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