ノルウェー最大の年金基金、中東の大手通信事業者6社を投資対象から除外
- 2023年12月30日
- 海外携帯電話
ノルウェーの最大の年金基金であるKLPは中東の上場会社である主要な通信事業者を投資対象から除外した。
中東の湾岸諸国に所在する12社を投資対象から除外しており、2023年12月から効力が発生しているという。
12社には通信事業者としてアラブ首長国連邦(UAE)のEmirates Telecommunications Group Company、サウジアラビア(KSA)のSaudi Telecom Company、Etihad Etisalat Company、Mobile Telecommunications Company Saudi Arabia、カタールのOoredoo、クウェートのMobile Telecommunications Companyの6社が含まれ、サウジアラビアはすべての移動体通信事業者(MNO)が対象となった。
KLPは湾岸諸国の通信事業者を投資対象から除外した理由として人権の観点から容認できない分野特有のリスクがあると判断したと説明している。
通信分野では各国当局から免許を取得して事業を行うため、基本的に各国当局の指示に従うことになる。
権威主義的な政治体制から表現の自由や政治的権利の制限、人工知能(AI)を含む新技術を活用した監視、顧客情報の提供などに間接的に寄与することを懸念しているという。
各社とも移動体通信事業者として携帯通信事業を展開しており、Emirates Telecommunications Group Companyはe&として事業を行う持株会社で、連結子会社がアラブ首長国連邦、アフガニスタン、パキスタン、エジプト、モロッコ、コートジボワールで携帯通信事業を行う。
Saudi Telecom Companyはサウジアラビアの移動体通信事業者で、サウジアラビアのほかに連結子会社がクウェートおよびバーレーンでstcとして携帯通信事業を展開している。
Etihad Etisalat CompanyはMobilyとして携帯通信事業を行うサウジアラビアの移動体通信事業者で、Emirates Telecommunications Group Companyの関連会社である。
Mobile Telecommunications Company Saudi Arabiaもサウジアラビアの移動体通信事業者で、上場会社であるが、Mobile Telecommunications Companyの連結子会社となっている。
Ooredooはカタールの移動体通信事業者で、カタールのほかに連結子会社がオマーン、クウェート、イラク、パレスチナ、モルディブ、ミャンマー(ビルマ)、チュニジア、アルジェリアで携帯通信事業を行うが、ミャンマーでは撤退に向けた手続きを進めている。
Mobile Telecommunications Companyはクウェートの移動体通信事業者で、クウェートのほかに連結子会社がサウジアラビア、ヨルダン、バーレーン、イラク、スーダン、南スーダンでZainとして携帯通信事業を展開している。
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