北朝鮮政府がインターネット規制を強化、一部のSNSや南側のウェブサイトを遮断
- 2016年04月04日
- DPRK
朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)はインターネットの規制を強化したことがAP通信の平壌市局による報道で分かった。
北朝鮮の政府機関で電気通信事業などを管轄する朝鮮民主主義人民共和国 逓信省 (Ministry of Posts and Telecommunications of the DPR OF KOREA/조선민주주의인민공화국 체신성)の指示でインターネットの規制を強化しており、インターネットサービスを提供する企業は一部のSNSや韓国(南朝鮮)のウェブサイトへのアクセスを指示に従って遮断することを事務所で案内しているという。
なお、北朝鮮でインターネットサービスを提供する企業は固定通信がSTAR JOINT VENTURE CO LTD (星合営会社/별합영회사)、移動体通信がブランド名をkoryolink (高麗網/고려망/高麗リンク/コリョリンク/고려링크)として展開するCHEO Technology JV Company (逓オ技術合作会社/체오기술합작회사)となる。
遮断の対象はSNSではFacebookやTwitterが含まれており、韓国のウェブサイトとしては韓国に拠点を置く新聞社のウェブサイトなどが含まれている。
その他、米国の一部のウェブサイトや朝鮮民主主義人民共和国 逓信省が不健全と判断したウェブサイトも遮断の対象となっている。
北朝鮮では一般住民は原則としてインターネットを利用できず、北朝鮮国内のみで利用できるイントラネットを使うため、インターネットの規制は一般住民への影響は極めて低い。
また、北朝鮮に滞在する外国人でもインターネットの利用者は外交目的やビジネス目的などに限定しているが、それにもかかわらずインターネットの規制を強化した理由には、SNSを通じて北朝鮮が公開を許可していない部分が拡散されることを懸念したと考えられる。
一般的な外国人訪朝者には指導員が同伴するため、自由行動や撮影禁止場所の撮影は厳しく制限されているが、北朝鮮に駐在する外国人やその家族はある程度の自由行動やインターネットの利用が認められており、実際に一部の在朝国際機関の勤務者がSNSを通じて北朝鮮内部の写真を公開していたことがあるが、SNSへのアクセスを遮断することで防げる。
また、北朝鮮に外交目的やビジネス目的で訪問する外国人は北朝鮮で比較的地位が高い関係者と接することになるが、韓国の新聞社は北朝鮮の体制を批判する記事が多く、その情報がインターネットの利用者を通じて北朝鮮の関係者に伝わることを懸念したと思われる。
北朝鮮が韓国の宣伝放送に大きく反発したことは記憶に新しいだろう。
韓国の宣伝放送は北朝鮮の体制批判や韓国の文化を拡声器で北朝鮮に送り込んでおり、情報統制が厳しい北朝鮮はこれを嫌がった。
インターネットを通じて余計な情報が流入することを遮断するために、韓国の新聞社などが遮断の対象になったと考えられる。
なお、北朝鮮が運営するウェブサイトのTwitterアカウントは遮断後も活発に活動しており、アクセスが特別に許可されているか、中国の拠点で活動している模様である。
米国企業は米国政府による北朝鮮制裁の一環で北朝鮮向けの事業が禁止されているため、本来ならば米国企業が運営するSNSは運営企業側が北朝鮮からのアクセスを遮断する必要もあると思われる。
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