フィリピンのTierOneがムスリム・ミンダナオ自治区で携帯電話サービスを開始へ
- 2017年07月08日
- 海外携帯電話
フィリピンのムスリム・ミンダナオ自治区(Autonomous Region in Muslim Mindanao:ARMM)政府の政府組織である地域投資委員会(Regional Board of Investments:RBOI)は理事会を開催してフィリピンのTierOne Communications Internationalによる電気通信分野の投資プロジェクトを承認した。
投資プロジェクトはムスリム・ミンダナオ自治区に電気通信事業者を設立し、ムスリム・ミンダナオ自治区における電気通信分野の発展や雇用創出を目指しており、TierOne Communications Internationalは30億フィリピンペソ(約67億円)を投資する計画である。
投資の対象区域はマギンダナオ州、南ラナオ州、バシラン州、スールー州、タウイタウイ州を含めたムスリム・ミンダナオ自治区全域で、LTE方式を含めた第4世代移動通信システム(4G)、第3世代移動通信システム(3G)、第2世代移動通信システム(2G)による携帯電話サービス、家庭および企業向けの無線インターネットサービス、公衆無線LANなどを提供する予定としている。
TierOne Communications Internationalは過去にムスリム・ミンダナオ自治区における電気通信分野の投資プロジェクトの承認を得ていたが、フィリピンの中央政府の政府組織で電気通信分野を管轄する電気通信委員会(National Telecommunications Commission:NTC)がムスリム・ミンダナオ自治区に適切な周波数の割り当てを実施せず、TierOne Communications Internationalは地域投資委員会より周波数の割り当てを受けられなかった。
そのため、TierOne Communications Internationalとしては通信塔など一部の通信設備は整備していたにも関わらず、電気通信サービスの商用化は実現しなかったが、フィリピン中央政府の政権交代に伴う政策転向を受けて、TierOne Communications Internationalは投資プロジェクトを再開する適切な時期と判断したという。
また、投資プロジェクトは南ラナオ州の州都であるマラウィ・イスラム市で最初に展開することを計画していたが、マラウィ・イスラム市ではフィリピン政府軍とイスラム過激派組織のマウテグループによる戦闘が激化しており、事業計画の見直しを余儀なくされたことを認めている。
それでも、TierOne Communications Internationalはマラウィ・イスラム市の復興に向けて最先端の通信設備を導入する意向を示している。
TierOne Communications Internationalの詳細な企業情報は公開されていないが、所有比率は70%がフィリピン人で、30%が豪州人とのことである。
スポンサーリンク
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。