国連安保理の新たな北朝鮮制裁決議でkoryolinkへの追加投資も困難に
- 2017年08月14日
- DPRK
国際連合安全保障理事会は朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)に対して新たな制裁措置を講じる決議第2371号(2017年)を2017年8月5日にエジプトを含めた全会一致で採択した。
決議第2371号(2017年)に含まれる制裁措置は多岐にわたるが、北朝鮮に関連した合弁事業の制限なども含まれており、決議第2371号(2017年)を採択したことで北朝鮮における合弁事業が厳しく制限される。
具体的には、事前に個別の承認を受けた場合を除き、北朝鮮の組織や個人と新たな合弁事業または共同事業体の新規開設を禁じるほか、北朝鮮における既存の合弁事業は追加投資による規模の拡大を禁止する。
したがって、北朝鮮の携帯電話事業者でkoryolink (高麗網)ブランドを展開するCHEO Technology JV Company (逓オ技術合作会社)も影響を受ける。
CHEO Technology JV CompanyはエジプトのOrascom Telecom Media and Technology Holding (OTMT)と北朝鮮のKorea Posts and Telecommunications Corporation (朝鮮逓信会社:KPTC)による合弁会社であり、最大の出資者であるOrascom Telecom Media and Technology HoldingはCHEO Technology JV Companyへの追加投資が困難となる。
なお、Korea Posts and Telecommunications Corporationは北朝鮮の政府機関で電気通信分野などを管轄する逓信省(Ministry of Posts and Telecommunications:MPT)傘下で、CHEO Technology JV Companyへの出資比率はOrascom Telecom Media and Technology Holdingが75%、Korea Posts and Telecommunications Corporationが25%となっている。
北朝鮮の携帯電話業界のさらなる発展を期待する者としては、影響が最小限にとどまることを願いたい。
奇しくも、決議第2371号(2017年)を採択した2017年8月の安全保障理事会議長国はエジプトであった。
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