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北朝鮮のkoryolinkが事業終了か、国連安保理の圧力でOrascom TMTが撤退の意向

  • 2017年12月20日
  • DPRK


朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)の携帯電話事業者でブランド名をkoryolink (高麗網)として展開するCHEO Technology JV Company (逓オ技術合作会社:以下、CHEO)は事業を終了する可能性があることが外国メディアの報道で分かった。

CHEOはエジプトのOrascom Telecom Media and Technology Holding (以下、OTMT)と北朝鮮のKorea Posts and Telecommunications Corporation (朝鮮逓信会社:以下、KPTC)による合弁会社で、出資比率はOTMTが75%で、KPTCが25%となっている。

CHEOの最大の株主であるOTMTは国際連合安全保障理事会などの圧力を受けて、北朝鮮から完全に撤退する方針を固めたという。

2017年12月20日時点でOTMTより正式な発表は行われていないが、円満に撤退の手続きを処理するために少しの時間を要するとの見方もある。

OTMTの撤退に伴いCHEOの事業は終了となる見込みで、2017年11月初めより段階的に撤退の準備を進めており、約350万のCHEOの加入者はKPTCに譲渡する模様である。

KPTCは北朝鮮の政府機関で電気通信分野などを管轄する逓信省(Ministry of Posts and Telecommunications:MPT)が全額出資する国営企業で、ブランド名をKANGSONG NET (強盛網)として独自の携帯電話サービスを提供している。

数年にわたり北朝鮮ではCHEOとKPTCが携帯電話サービスを提供してきたが、KPTCに事実上の統合となる見込み。

国際連合安全保障理事会は北朝鮮に対して新たな制裁措置を講じる決議第2375号(2017年)を2017年9月11日に全会一致で採択し、北朝鮮の個人および事業体と合弁事業または共同事業体の新規開設、維持、運営を禁止した。

これによって、既存の合弁事業または共同事業体は原則として採択から120日以内に閉鎖する必要があり、原則として2018年1月9日が期限となる。

一部で例外も規定されており、合弁事業または共同事業体の継続を申請できるが、却下の判断が出れば決定から120日以内に閉鎖しなければならない。

なお、OTMTは北朝鮮で銀行としてORABANK NKを設立および運営していたが、米国の政府機関である財務省(Department of the Treasury)傘下の外国資産管理室(Office of Foreign Assets Control:OFAC)による制裁を遵守するために2016年11月28日に開催した取締役会でORABANK NKの閉鎖を決定した。

OTMTはORABANK NKの閉鎖を決定後と決議第2375号(2017年)の採択後にあらゆる制裁を遵守したうえでCHEOの事業を継続する方針を示していたが、韓国メディアの報道が正しければ国際連合安全保障理事会はCHEOの事業の継続を承認しなかった可能性が考えられる。

ただ、韓国メディアの北朝鮮に関する報道は誤報も多く、仮にOTMTが北朝鮮から撤退するならばOTMTより正式な発表が行われると思われるため、まずはOTMTの公式な声明を待ちたいところである。

koryolink-pyongyang01

INTERNATIONAL COMMUNICATIONS CENTRE (国際通信局)に入るkoryolinkの直営店

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KPTCが提供するKANGSONG NETのSIMカード

NEWSIS

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