iPhone XSとiPhone XS Max、LTE対応バンドは日本版が最多
- 2018年09月17日
- Apple関連
米国のAppleが発表したスマートフォン「Apple iPhone XS」および「Apple iPhone XS Max」について、新たに追加されたLTE Bandはすでに触れたので、今回は各モデルのLTE Bandの差に注目してみる。
Apple iPhone XSの型番にはA1920、A2097、A2098、A2100が存在し、Apple iPhone XS Maxの型番にはA1921、A2101、A2102、A2104が存在する。
A1920はカリブ海地域の米領を含む北米と香港特別行政区およびマカオ特別行政区向け(以下、米港澳版)、A2097は特定国・地域向けモデルを販売しないすべての国・地域向け(以下、国際版)、A2098は日本向け(以下、日本版)、A2100は中国本土向け(以下、中国版)、A1921はカリブ海地域の米領を含む北米向け(以下、北米版)、A2101は国際版、A2102は日本版、A2104は中国本土と香港特別行政区およびマカオ特別行政区向け(以下、中港澳版)となる。
各モデルのLTE Bandは下記の通りである。
■ Apple iPhone XS
– 米港澳版/中国版 (27バンド)
B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/ B12/B13/B14/B17/B18/ B19/B20/B25/B26/B29/ B30/B32/B34/B38/B39/ B40/B41/B46/B66/B71
– 国際版 (27バンド)
B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/ B12/B13/B14/B17/B18/ B19/B20/B25/B26/B28/ B29/B30/B32/B34/B38/ B39/B40/B41/B46/B66
– 日本版 (29バンド)
B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/ B11/B12/B13/B14/B17/ B18/B19/B20/B21/B25/ B26/B28/B29/B30/B34/B38/ B39/B40/B41/B42/B46/B66
■ Apple iPhone XS Max
– 北米版/中港澳版 (27バンド)
B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/ B12/B13/B14/B17/B18/ B19/B20/B25/B26/B29/ B30/B32/B34/B38/B39/ B40/B41/B46/B66/B71
– 国際版 (27バンド)
B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/ B12/B13/B14/B17/B18/ B19/B20/B25/B26/B28/ B29/B30/B32/B34/B38/ B39/B40/B41/B46/B66
– 日本版 (29バンド)
B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/ B11/B12/B13/B14/B17/ B18/B19/B20/B21/B25/ B26/B28/B29/B30/B34/B38/ B39/B40/B41/B42/B46/B66
対応するLTE Bandは日本版以外のすべての型番が27バンドとなり、日本版のみが最多で29バンドである。
ここで、すべてのモデルが共通して対応するLTE Bandを除いたLTE Bandの対応状況に注目してみる。
■ Apple iPhone XS
– 米港澳版/中国版
対応:B32/B71
非対応:B11/B21/B28/B42
– 国際版
対応:B28/B32
非対応:B11/B21/B42/B71
– 日本版
対応:B11/B21/B28/B42
非対応:B32/B71
■ Apple iPhone XS Max
– 北米版/中港澳版
対応:B32/B71
非対応:B11/B21/B28/B42
– 国際版
対応:B28/B32
非対応:B11/B21/B42/B71
– 日本版
対応:B11/B21/B28/B42
非対応:B32/B71
B71はApple iPhone XSおよびApple iPhone XS Maxで新たに追加されたLTE Bandであるが、B28に対応したモデルはB71に非対応となり、B71に対応したモデルはB28に非対応となる。
すでにB28とB71の両方に対応したスマートフォンは一部のメーカーが製品化しているが、Apple iPhone XSおよびApple iPhone XS Maxでは干渉などの問題で1のモデルでB28とB71の両対応は見送ったと思われる。
Apple iPhone XではすべてのモデルがB28に対応したため、B71に対応したApple iPhone XSおよびApple iPhone XS Maxを販売する国と地域では、実質的にB28は削除されたことになる。
B32もApple iPhone XSおよびApple iPhone XS Maxで新たに追加されたLTE Bandであるが、日本版のみ非対応となっている。
一方で日本版のみB11/B21/B42に対応しており、B11/B21とB32は干渉などの問題で1のモデルで両対応が難しい可能性が考えられる。
B11/B21は世界的にも日本の通信事業者のみが採用するため、日本版のみ対応させている。
B42はアジア、太平洋地域、中東、欧州、アフリカ、米州で採用が進んでいるが、ほとんどが固定通信向けで、移動体通信向けにB42を採用する主要な通信事業者は実質的に日本のみと言える状況に近いため、日本版のみ対応させたと思われる。
なお、日本では各通信事業者ともに理論値ベースで最速の通信速度はB42を利用して実現する。
買うとは言っていないが、筆者が買うならば日本版一択、理論値が800Mbps超のNTT DOCOMOまたはKDDIで使いたいところである。
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