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フィリピン第3の携帯電話事業者として有力のMindanao Islamic Telephone、中国政府と比大統領の親友が主導



フィリピンでPLDTおよびGlobe Telecomと競合する第3の総合的な電気通信事業者として有力のMindanao Islamic Telephone Company (Mislatel)の所有構造が分かった。

フィリピンの政府機関で電気通信分野の規制を司る情報通信技術省(Department of Information and Communications Technology:DICT)の付属機関である国家電気通信委員会(National Telecommunications Commission:NTC)はNew Major Player (NMP)の選定を実施している。

New Major Playerは既存の総合的な電気通信事業者であるPLDTおよびGlobe Telecomと競合する第3の総合的な電気通信事業者となり、New Major Playerとして選定された場合は移動体通信事業を含めた総合的な電気通信事業者となるが、基本的にはPLDTやGlobe Telecomと同様に移動体通信事業が中心となる見込み。

2018年11月7日にNew Major Playerの選定に係る入札書類の提出を受け付け、Mindanao Islamic Telephone Company、Sear Telecom、Philippine Telegraph and Telephone Corporation (PT&T)が入札書類を提出した。

しかし、Sear TelecomとPhilippine Telegraph and Telephone Corporationは入札書類の審査で不適格と判断されて入札に進めず、唯一の入札適格者として宣言されたMindanao Islamic Telephone CompanyがNew Major Playerとして選定される可能性が高まっている。

そんなMindanao Islamic Telephone Companyの所有構造が判明しており、持分比率はフィリピンのISM Communications Corporationが35%、フィリピンのChelsea Logistics Holdingsが25%、中国のChina Telecommunications (中国電信集団)が40%となる。

フィリピンでは総合的な電気通信事業者は外資規制によって外国人の持分比率が最大40%に制限されているため、China Telecommunicationsの持分比率は上限である。

ISM Communications Corporationはフィリピン証券取引所に上場しており、ダバオ市を拠点とする実業家のデニス・ウイが率いるDennison Holdingsが株式の45.13%を保有する。

なお、ISM Communications CorporationはUdenna Holdings Corporationに社名を変更する予定という。

Chelsea Logistics Holdingsもフィリピン証券取引所に上場しており、ISM Communications Corporationの全額出資子会社であるUdenna Corporationの子会社で、Udenna Corporationの出資比率は70%となっている。

ISM Communications CorporationとChelsea Logistics HoldingsともにDennison Holdingsの影響下にあり、Dennison HoldingsはMindanao Islamic Telephone Companyへの出資比率が間接的に23.7%となる。

Dennison Holdingsを率いるデニス・ウイはフィリピンの大統領であるロドリゴ・ドゥテルテの親友とされている。

ダバオ市を拠点とするデニス・ウイは2016年の大統領選挙でダバオ市長を務めた経験があるロドリゴ・ドゥテルテを巨額の資金拠出で支援したことも知られており、デニス・ウイとロドリゴ・ドゥテルテは親密な関係と考えられる。

一方で、China Telecommunicationsは中国の移動体通信事業者であるChina Telecom (中国電信)を子会社に擁する中国国有企業である。

中国国有企業には様々なタイプが存在するが、China Telecommunicationsは中国の最高国家行政機関で中央人民政府である国務院(State Council)が直属組織の国有資産監督管理委員会(State-owned Assets Supervision and Administration Commission:SASAC)を通じて完全所有する国有の中央企業となり、国務院の監督および管理を受けている。

China Telecommunicationsは経営権こそ持たないが、Mindanao Islamic Telephone Companyの筆頭株主となる。

フィリピン政府は南シナ海問題で中国政府と対立し、国際司法の場では中国の主権を認めない裁定を勝ち取ったが、ロドリゴ・ドゥテルテは経済優先で南シナ海問題を避けるなど中国寄りの様相を呈している。

また、フィリピン大統領官邸のマラカニアン宮殿に中国の首相である李克強を招いて会談した際は、中国企業によるフィリピンの電気通信分野への投資も呼びかけ、China Telecommunicationsに優遇措置を与える可能性も示唆していた。

PLDTとGlobe Telecomの複占状況にあるフィリピンはほかの東南アジア諸国と比較して通信品質が悪く料金が高いとされており、その問題を解消するためにロドリゴ・ドゥテルテの指揮のもとNew Major Playerを迎え入れる。

しかし、そのNew Major Playerが事実上のロドリゴ・ドゥテルテの親友と中国政府の合弁となり、しかも対抗馬は入札にも進ませてもらえなかったとなると、様々な議論を呼びそうに感じるところである。

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