ロシアのMTSがトルクメニスタンで基地局の撤去を開始、国外に搬出へ
- 2019年01月05日
- 海外携帯電話
ロシアのMobile TeleSystems (MTS)はトルクメニスタン国内で基地局など通信設備の撤去を開始したことが外国メディアの報道で分かった。
Mobile TeleSystemsはトルクメニスタンで全額出資子会社のEconomy Society MTS-Turkmenistanを通じて移動体通信事業を手掛けていたが、2017年9月にトルクメニスタンの政府機関で電気通信分野の規制を担う通信省(Ministry of Communications)および通信省傘下のTurkmentelekomによって、Economy Society MTS-Turkmenistanの事業を強制的に停止させられた。
Mobile TeleSystemsは通信省およびTurkmentelekomの行為について、2009年3月29日にロシア政府とトルクメニスタン政府が署名した投資促進と相互保護に関する協定に違反し、外国人投資者の権利を侵害したと主張しており、トルクメニスタン政府を相手取り連合(United Nations:UN)の専門機関である世界銀行(World Bank:WB)傘下の投資紛争解決国際センター(International Centre for Settlement of Investment Disputes:ICSID)に仲裁を申し立てている。
Economy Society MTS-Turkmenistanのライセンスは2018年7月に満期を迎え、様々な観点から事業の再開は極めて困難な状況で、仲裁判断の確定にも数年を要する見込みであるため、Mobile TeleSystemsはトルクメニスタン国内に残した資産の撤去を開始した模様である。
Mobile TeleSystemsは2018年12月より基地局を解体して撤去を開始しており、ロシアに持ち出しているという。
Mobile TeleSystemsはロシア、ベラルーシ、アルメニア、ウクライナで移動体通信事業に参画しており、トルクメニスタンから搬出した基地局はMobile TeleSystemsが参画する移動体通信事業で利用もしくは第三者への売却を検討中とされている。
なお、Mobile TeleSystemsは2005年6月にBarash Communications Technologiesを買収してトルクメニスタンに参入したが、Barash Communications Technologiesは2010年12月に通信省よりライセンスを剥奪されたため、強制的にトルクメニスタンから撤退させられた。
2012年にMobile TeleSystemsと通信省は和解に達し、2012年8月よりBarash Communications Technologiesが残した通信設備を利用してEconomy Society MTS-Turkmenistanが移動体通信事業を開始したが、そのEconomy Society MTS-TurkmenistanもBarash Communications Technologiesと同じ状況となった。
Mobile TeleSystemsはトルクメニスタン国内の基地局を撤去していることから、もうトルクメニスタンで事業を行う気はないのだろう。
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