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米FCC、中国移動の米国参入申請を却下



米国の政府機関で電気通信分野などの規制を司る連邦通信委員会(Federal Communications Commission:FCC)は米国のChina Mobile International (USA)が申請した電気通信役務の提供に係る申請を却下したと発表した。

China Mobile International (USA)は米国と外国の間で電気通信役務を提供するための申請を連邦通信委員会に提出していたが、2019年5月9日付けで却下したという。

これにより、China Mobile International (USA)は米国における電気通信事業への参入が不可となった。

連邦通信委員会は安全な通信の促進は連邦通信委員会にとって長年の優先事項と表明しており、連邦通信委員会の慎重な検討に加え、国家安全保障および法執行の専門知識を有する行政機関と密接な協議を経て下した結果と説明している。

具体的な理由も説明しており、China Mobile International (USA)は中国政府が所有および支配するため、China Mobile International (USA)の申請を許可すると国家安全保障の観点で重大かつ深刻な影響を与える懸念が存在するという。

China Mobile International (USA)の所有構造は中国のChina Mobile Communications Group (中国移動通信集団)が完全所有する香港特別行政区のChina Mobile (Hong Kong) Group (中国移動(香港)集団)が完全所有する英領ヴァージン諸島のChina Mobile Hong Kong (BVI)が73.31%出資する香港特別行政区のChina Mobile (中国移動)が完全所有する香港特別行政区のChina Mobile International Holdings (中国移動国際控股)が完全所有する香港特別行政区のChina Mobile International (中国移動国際)が完全所有する英国のChina Mobile International (UK)が完全所有しており、China Mobile International (USA)に対するChina Mobile Communications Groupの持分比率は間接的に73.31%となっている。

China Mobile Communications Groupは中国の最高国家行政機関で中央人民政府である国務院(State Council)が直属組織の国有資産監督管理委員会(State-owned Assets Supervision and Administration Commission:SASAC)を通じて完全所有する国有の中央企業で、中央人民政府の監督および管理を受けている。

そのため、China Mobile International (USA)も中央人民政府の支配下にあると解釈できる。

米国と中国の敵対関係が深まる中で、中国政府が支配する企業である点を連邦通信委員会が懸念した模様である。

なお、連邦通信委員会によるChina Mobile International (USA)の申請の却下に先立ち、米国の政府機関である商務省(Department of Commerce:DOC)傘下の電気通信情報局(National Telecommunications and Information Administration:NTIA)は国家安全保障上の懸念を理由に、連邦通信委員会に対してChina Mobile International (USA)の申請の却下するよう勧告していた。

連邦通信委員会

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