楽天モバイル、マルチIMSI技術を活用したOrangeのローミングソリューションを採用か
- 2019年10月29日
- Rakuten-総合
Rakuten Mobile (楽天モバイル)は移動体通信事業者(MNO)として展開する携帯通信事業において、フランスの移動体通信事業者であるOrangeが提供するマルチIMSI技術を活用したソリューションを採用した可能性が浮上した。
OrangeはRakuten Mobileと国際ローミングに関する戦略的パートナーシップを締結しており、それの発表と同時にローミングソリューションの提供を公式に認めた。
そのため、Rakuten MobileがOrangeのローミングソリューションを採用したことは確定している。
Rakuten Mobileは移動体通信事業者としての正式な商用化に先立ち、試験的な無料サポータープログラムを提供しており、無料サポータープログラムでは国際ローミングを利用できる。
日本国外ではAPNが自動的にOrange Worldに切り替わる模様で、APNは基本的に自動で選択されるという。
ただ、一部のエリアでは自動で選択されない場合があるため、公式ウェブサイトでは自動で選択されない場合は手動でOrange WorldのAPNを選択するよう案内している。
Orange WorldのAPNは国識別コード(Mobile Country Code:以下、MCC)が208、事業者識別コード(Mobile Network Code:MNC)が01となる模様で、国際ローミングでは電気通信番号(International Mobile Subscription Identity:以下、IMSI)が自動的にOrangeのIMSIに切り替わると予想できる。
Orangeは移動体通信事業者またはフルMVNOとして事業を行う仮想移動体通信事業者(MVNO)向けにマルチIMSI技術を活用したローミングスポンサーソリューションを提供しており、Rakuten Mobileはこのソリューションを採用した可能性が高い。
マルチIMSI技術はあらかじめSIMカードに複数のIMSIが格納されており、基地局からの報知情報をもとにSIMカード内のアプレットが必要に応じてIMSIを切り替える技術である。
Rakuten MobileのSIMカードの場合、アプレットには440-11から始まるRakuten MobileのIMSIと208-01から始まるOrangeのIMSIが格納されており、報知情報をもとにネットワーク側のMCCが日本の440または441であれば440-11から始まるIMSIを使用するが、ネットワーク側のMCCが440または441以外、すなわち日本国外で国際ローミングの対象の国または地域であれば208-01から始まるIMSIに切り替わる仕様と推測できる。
国際ローミングで利用時に端末上の通信事業者名の表示が現地の接続先の移動体通信事業者ではなく「Rakuten」と表示される模様であるが、これもマルチIMSI技術の適用と関係があると思われる。
なお、Orangeによると同社のソリューションを採用すると、最大で200を超える国と地域をカバーできるほか、Orangeの品質基準を満たした移動体通信事業者で国際ローミングを利用できるという。
■関連記事
楽天モバイルと仏Orange、国際ローミングで戦略的パートナーシップを締結
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。