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Samsung Galaxy S20 UltraにはLTE版も存在、ただし型番は5G版と共通



韓国のSamsung Electronics (サムスン電子)はスマートフォン「Samsung Galaxy S20 Ultra」を発売した。

Samsung Galaxy S20 Ultraの5G版とLTE版に関していくつか質問が寄せられたので、記事で個人的な見解を説明しておきたいと思う。

Samsung Galaxy S20 Ultraの発表前は型番から5G版のみが存在すると推測していたが、Samsung Electronicsが公式ウェブサイトに掲載したSamsung Galaxy S20 Ultraの仕様一覧において、システムメモリと内蔵ストレージの容量の構成の欄に5G/LTEと記載しており、5G版とLTE版が存在すると推測できた。

実際に5G版とLTE版が存在する模様であるが、型番が共通であることが事情を複雑にしている。

東アジアと北米を除いたグローバルでは共通の型番となるため、ベトナム、タイ、英国も含めて型番はSM-G988Bのみをグローバルで展開するが、この型番で5G版とLTE版の両方が存在する。

英国版は5G版となり、第5世代移動通信システム(5G)の要求条件を満たすために規定されたNR方式の周波数として定義されたNR Bandはn1、n3、n5、n7、n8、n28、n40、n77、n78に対応する。

一方、ベトナム版はLTE版であるため、NR方式には非対応となり、ベトナム向けの仕様にも5Gに関する言及はない。

また、タイ版は5G版となり、2020年3月中旬頃に提供される予定のソフトウェアのアップデートを通じて、タイ最大手の移動体通信事業者(MNO)でAISとして事業を行うAdvanced Wireless Network (AWN)が提供するNR方式に準拠した5Gサービスに対応する予定である。

Advanced Wireless Networkは2500~2600MHzで5Gサービスを導入するため、NR Bandはn41以外に選択肢はなく、少なくともタイ版はn41に対応すると考えられる。

英国版はn41に非対応であるため、同じ型番の5G版でもNR Bandが異なると推察できる。

このように同一型番でも5G版とLTE版が存在し、さらに同一型番の5G版でもNR Bandが異なる場合がある。

これは中国本土版と香港特別行政区版のSamsung Galaxy S20Samsung Galaxy S20+、Samsung Galaxy S20 Ultraでも同様のことが言える。

中国本土版と香港特別行政区版はいずれも5G版で、末尾が0の型番となる。

香港特別行政区版はSamsung Galaxy S20、Samsung Galaxy S20+、Samsung Galaxy S20 Ultraいずれも対応するNR Bandは共通で、n1、n78、n79に対応する。

中国本土では最大手の移動体通信事業者でChina Mobile (中国移動)として事業を行うChina Mobile Communications Group (中国移動通信集団)が5GサービスのメインのNR Bandとしてn41を導入しているため、中国本土版がn41に対応しないことは考えにくい。

実際に中国の認証機関ではn41に対応することが確認できているため、中国本土版はn41に対応すると考えられ、n41が特殊なことも関係しているが、中国本土版と香港特別行政区版も同一型番ながらNR Bandが異なると分かる。

このように、Samsung Galaxy S20 Ultraのように同一型番で5G版やLTE版が存在する場合や、ほかに同一型番の5G版でもNR Bandが異なる場合があるため、型番だけで対応周波数を判断することが難しい。

情報収集には努めているが、このような状況から質問をいただいても回答が困難な場合が多々あることをご理解いただけると幸いである。

なお、Samsung Galaxy S20 Ultraの場合は梱包箱の下部にS20 Ultra 5Gと記載されている場合と、S20 Ultraと記載されている場合があり、前者であれば5G版、後者であればLTE版と判断して差し支えないと考えている。

参考までに、NR方式はSamsung Galaxy S20がサブ6GHz帯のFR1のみ対応、Samsung Galaxy S20+とSamsung Galaxy S20 Ultraはサブ6GHz帯とミリ波(mmWave)のFR2の両方に対応するとSamsung Electronicsより案内されているが、Samsung Galaxy S20+とSamsung Galaxy S20 Ultraは一部の型番のみがサブ6GHz帯とミリ波の両方に対応するため、ミリ波に非対応の型番も存在する。

背景は各地の法制度、規制、コストなど複雑なため省略するが、Samsung Galaxy S20 Ultraはハードウェア的には5G版のみが存在し、LTE版はソフトウェア的にNR方式の通信機能を無効化したと思われる。

詳細は関連記事に記載しているが、基本的にSamsung Electronicsは販売したリージョン以外ではNR BandおよびEN-DCの組み合わせが一致してもNR方式の利用を不可としている模様で、例えば中国本土版や豪州版はNR Bandが一致しても中東では利用できない事例を把握している。

そのため、販売したリージョンと使用するリージョンが異なる場合、NR BandとEN-DCの組み合わせに問題なくとも使えない可能性があることを最後に補足しておきたい。

■関連記事
豪州版のSamsung Galaxy S10 5GではKSAとUAEで5Gを利用できず

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