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900MHz帯の新たな無線利用、楽天モバイルは携帯通信を提案するも困難か



総務省(Ministry of Internal Affairs and Communications:MIC)はデジタルMCAシステムの高度MCAシステムへの段階的な移行を想定し、デジタルMCAシステムの移行後に導入する新たな無線システムの技術的条件などに関する検討に資することを目的として、2019年12月6日から2020年1月15日まで対象周波数帯における新たな無線利用に係る調査を実施した。

総務省は調査結果などに関して公表している。

なお、対象周波数帯は845~860MHzおよび928~940MHzである。

携帯電話事業者としてはRakuten Mobile (楽天モバイル)のみが提案した模様で、FDD方式による携帯無線通信システムでの利用を提案したという。

総務省は提案を受けて検討の方向性を取りまとめており、携帯無線通信システムでの利用に関しては対象周波数が標準化団体の3GPP (3rd Generation Partnership Project)で標準化されておらず、既存の基地局設備や携帯電話端末が対応していないなど導入に向けた見通しが定かでないため、調査検討の実施前に提案者のRakuten Mobileにおいて標準化の見通しを明らかにする必要があるとの見解を示した。

Rakuten Mobileが提案したFDD方式による携帯無線通信システムは第4世代移動通信システム(4G)のLTE (FDDの)方式または第5世代移動通信システム(5G)のNR (FDD)方式を想定すると思われる。

3GPPではLTE方式の周波数としてLTE Bnad、NR方式の周波数としてNR Bandが定義されており、世界的に携帯無線通信システム向けで割当が実施されている900MHz帯はLTE BandがBand 8、NR Bandがn8にあたる。

Band 8とn8の周波数範囲はいずれも上りが880~915MHz、下りが925~960MHzのFDD方式であるため、対象周波数帯でBand 8またはn8を導入することはできない。

対象周波数帯はほかのLTE BandまたはNR Bandとも一致せず、対象周波数帯と一致するLTE BandまたはNR Bandが定義されていない状況で、LTE方式やNR方式を導入することは難しい。

仮に対象周波数帯でLTE BandまたはNR Bandが定義されても新たなLTE BandまたはNR Bandとなり、標準化前に発売された既存の基地局設備や携帯電話端末は対応できないため、早期に標準化の見通しが立たない限り対象周波数帯を携帯無線通信システムに割当することはあまり適当ではないかもしれない。

なお、総務省は調査結果をもって対象周波数帯における新たな無線利用の可否が決定するわけではないと明確化している。

総務省

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