マカオ当局、新たな貸与地で携帯電話事業者に整備を要請
- 2020年08月28日
- 海外携帯電話
マカオ特別行政区の政府機関で電気通信分野などの規制を管轄する郵電局(Direccao dos Servicos de Correios e Telecomunicacoes)はマカオ特別行政区の移動体通信事業者(MNO)および固定通信事業者(FNO)に対して新たな貸与地で各種通信サービスの整備を要請したことが分かった。
マカオ特別行政区政府は新たな出入境審査場である横琴新口岸の運用を2020年8月18日に開始しており、郵電局はその事実を考慮して移動体通信事業者および固定通信事業者に対してインターネットなどを利用できるよう各種通信サービスの整備を求めたという。
移動体通信事業者および固定通信事業者は郵電局の要請を受けて、各種通信サービスを提供するための準備を進めている。
マカオ特別行政区のコタイ地区と中国本土の広東省珠海市横琴新区は蓮花大橋で結ばれ、これまで出入境審査場はマカオ特別行政区政府がコタイ地区で蓮花口岸、中国政府が横琴新区で横琴口岸を運用してきた。
従来の運用であれば出入境審査を2ヶ所で実施するが、1ヶ所に集約する一地両検を採用しており、マカオ特別行政区の出入境審査も横琴新区で実施することが決まった。
2020年8月18日の13時30分(中国標準時)より正式に運用を開始した横琴新口岸は地理的には横琴新区に所在するが、運用に先立ち2020年3月18日の0時(同)より管轄権を中国政府からマカオ特別行政区政府に引き渡し、事実上の貸与地となった。
貸与期限は2049年12月19日までに設定されているが、全国人民代表大会常任委員会の決定次第で延長することも可能である。
中国本土の法律を適用する地区からマカオ特別行政区の法律を適用する地区となり、これに伴い各種通信サービスなどはマカオ特別行政区の移動体通信事業者および固定通信事業者が整備する必要が生じたため、郵電局は各種通信サービスの整備を要請した。
なお、2013年11月5日にはマカオ大学のキャンパスがマカオ特別行政区のタイパ島から横琴新区に移転しており、マカオ大学のキャンパスは先に貸与地となっていた。
移転後のマカオ大学のキャンパスは筆者自身も訪問したことがあり、確かにマカオ特別行政区の移動体通信事業者が通信サービスを整備および提供し、キャンパス内ではマカオ特別行政区の移動体通信事業者によるSIMカードの販売も確認できた。
マカオ大学のキャンパスと同様に新たな貸与地でもマカオ特別行政区の移動体通信事業者および固定通信事業者が各種通信サービスを整備および提供することになる。
なお、マカオ特別行政区の移動体通信事業者(MNO)はCompanhia de Telecomunicacoes de Macau (澳門電訊:CTM)、Hutchison – Telefone (Macau) (和記電話(澳門))、SmarTone – Comunicacoes Moveis (數碼通流動通訊(澳門))、China Telecom (Macau) (中國電信(澳門))の4社である。
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