HONORがQualcommから半導体を調達再開へ、社長が認める
- 2021年01月24日
- Android関連
中国のHonor Device (栄耀終端)は米国のQualcommなどから半導体を調達することが分かった。
Honor Deviceの社長に相当する総経理は2021年1月22日に中国で開催したHONOR V40の発表会に合わせて記者会見を実施し、米国企業と協力を再開すると認めた。
記者会見では具体的な企業にも言及しており、米国企業ではAdvanced Micro Devices (AMD)、Intel、Micron Technology、Qualcomm、Microsoftの社名を挙げた。
Honor Deviceの総経理がQualcommと協力することを認めたことになり、Honor DeviceはQualcommよりスマートフォン向けチップセットなどの半導体を調達すると考えられる。
これまで、Honor Deviceが運営するHONOR事業は中国のHuawei Investment & Holding (華為投資控股)の子会社であるHuawei Technologies (華為技術)およびHuawei Device (華為終端)が展開してきた。
しかし、Huawei TechnologiesおよびHuawei Deviceは2019年5月16日付けで米国の政府機関である商務省(Department of Commerce:DOC)傘下の産業安全保障局(Bureau of Industry and Security:BIS)よりEntity Listの指定を受けた。
Entity Listの指定を受けた事業体や個人に輸出管理規則(Export Administration Regulations:EAR)の対象品目となる特定の米国原産品などを供給するためには供給者側でライセンスの取得が必要となるが、原則として申請は却下される。
特定の米国原産品などには米国原産の二重用途の材料や部品などの汎用品、ソフトウェア、特許を含めた技術をはじめとする特定の米国原産品や価値ベースで特定の米国原産品が所定の比率以上を占める製品が含まれる。
そのため、Entity Listの指定を受けたHuawei TechnologiesおよびHuawei Deviceは半導体やプロプライエタリなソフトウェアなど特定の米国原産品などを調達することが困難な状況となっている。
産業安全保障局が制裁の内容を強化する中で、Huawei TechnologiesおよびHuawei Deviceの各事業に困難が生じ、HONOR事業を売却することになった。
Huawei Investment & Holdingは2020年第4四半期にHONOR事業の全部をHuawei TechnologiesおよびHuawei Deviceから新設したHonor Deviceに移管し、Honor Deviceの株式の全部を中国のShenzhen Zhixin New Information Technology (深圳市智信新信息技術)に譲渡した。
これに伴いHONOR事業はShenzhen Zhixin New Information Technology傘下のHonor Deviceが運営主体となり、新体制で再出発することになった。
Honor Deviceは法人としてはQualcommなどと新規に協力を開始することになるが、HONOR事業としては新体制で協力を再開すると言える。
Honor DeviceはEntity Listに指定されておらず、すでにHuawei TechnologiesやHuawei Deviceとは無関係であるため、特定の米国原産品などの調達も可能となる見込みである。
なお、HONOR V40は新体制で最初に発表したスマートフォンで、第5世代移動通信システム(5G)に対応しており、国際展開も計画している。
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