Qualcomm Snapdragon X62 5G Modem-RF Systemを発表、新周波数にも対応
- 2021年02月10日
- その他モバイル端末
米国のQualcommの完全子会社で米国のQualcomm Technologiesは通信モデム「Qualcomm Snapdragon X62 5G Modem-RF System」を発表した。
第5世代移動通信システム(5G)などに対応したハイエンドのマルチモード通信モデムである。
5Gの通信方式は標準化団体の3GPP (3rd Generation Partnership Project)で5Gの要求条件を満たすために規定されたNR方式で、3GPP Release 16で定義された標準仕様に準拠するため、3GPP Release 16で定義された最新の機能を移動体通信、固定通信、産業用など様々な用途の端末に導入できる。
ほかに第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式、第3世代移動通信システム(3G)のW-CDMA方式、TD-SCDMA方式、CDMA2000方式、第2世代移動通信システム(2G)のGSM方式にも対応している。
周波数はFR1としてサブ6GHz帯で定義されるFDDおよびTDD、FR2としてミリ波(mmWave)で定義されるTDDのNR Bandに対応しており、FR1ではTDDで2.5GHz帯のn53およびFDDで1.7GHz帯のn70、FR2ではTDDで41GHz帯のn259など新規に定義されたNR Bandも実装することが可能である。
FR1ではキャリアアグリゲーション(CA)を適用して最大で120MHz幅の帯域幅を使用できるほか、256QAMおよび4×4 MIMOを実装できる。
FR2ではキャリアアグリゲーションを高度化した4コンポーネント・キャリア・キャリアアグリゲーション(4CC CA)を適用して最大で400MHz幅の帯域幅を利用することが可能で、64QAMおよび2×2 MIMOにも対応する。
無線アクセスネットワーク(RAN)アーキテクチャはスタンドアローン(SA)構成とノンスタンドアローン(NSA)構成の両方に対応したデュアルモード5Gで、通信速度は最大4.6Gbpsとなる。
キャリアアグリゲーションはFR1ではFDDとTDD、FDDとFDD、TDDとTDD、FR2ではTDDとTDDの間で対応し、LTE方式と動的に周波数を共有するダイナミックスペクトラムシェアリング(DSS)も実装できる。
3GPP Release 16で定義された高度な省電力技術も適用されている。
LTE方式はLicensed Spectrum Access (LAA)のBand 46や市民ブロードバンド無線システム(Citizens Broadband Radio Service:CBRS)のBand 48にも対応する。
なお、LAAはアンライセンスバンド(非免許帯域)でLTE方式を運用する技術であるが、ライセンスバンド(免許帯域)の補助としてキャリアアグリゲーションで利用することになり、CBRSは米国において免許不要で利用できる周波数である。
Qualcomm Snapdragon X62 5G Modem-RF Systemを採用した商用の端末は2021年後半までに製品化する予定と案内している。
スポンサーリンク
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。