米OFAC、MECTelを展開するミャンマー経済公社を制裁対象に再指定
- 2021年04月12日
- 海外携帯電話
米国の政府機関である財務省(Department of the Treasury)傘下の外国資産管理局(Office of Foreign Asset Control:OFAC)はミャンマー(ビルマ)のMyanmar Economic Corporation (ミャンマー経済公社:MEC)およびMyanmar Economic Holdings Limited (ミャンマー経済ホールディングス:MEHL)を制裁の対象に指定した。
2021年3月25日付けでMyanmar Economic CorporationおよびMyanmar Economic Holdings Limitedを特別指定国民(SDN)リストに追加している。
特別指定国民リストに追加された個人および事業体を相手とする取引は許可されず、個人と事業体を含めた米国人および米国内で営業する外国人が順守の義務を有する。
また、いわゆる50%ルールが存在するため、特別指定国民リストに追加された個人または事業体が合計で50%以上を保有または実質的に支配する事業体も特別指定国民リストに追加された個人および事業体と同等の扱いとなる。
Myanmar Economic CorporationおよびMyanmar Economic Holdings Limitedは過去にも追加されていたが、2016年10月7日に米国政府のミャンマーに対する経済制裁の全面的な解除に伴い削除された。
したがって、約4年半ぶりに外国資産管理局の制裁に再指定されたことになる。
なお、米国の政府機関である商務省(Department of Commerce)傘下の産業安全保障局(Bureau of Industry and Security)は2021年3月8日付けでMyanmar Economic CorporationおよびMyanmar Economic Holdings LimitedをEntity Listに追加している。
Myanmar Economic CorporationおよびMyanmar Economic Holdings Limitedはミャンマー国軍が支配するミャンマーの国防省(Ministry of Defence)が所有し、実質的に国防省の商業部門として機能する。
いずれも様々な事業分野に進出する複合企業で、特にMyanmar Economic Corporationは携帯通信分野でも存在感を高めている。
本来、ミャンマーで移動体通信事業者(MNO)として携帯通信事業を展開するためにはNationwide Telecommunications Licenceを取得する必要があるが、Myanmar Economic CorporationはNationwide Telecommunications Licenceを取得せずに移動体通信事業者として携帯通信事業を行う。
Network Facilities Service (Individual) Licenceを取得して仮想移動体通信事業者(MVNO)として携帯通信事業を展開するための免許は保有するが、実際はミャンマーの移動体通信事業者であるMyanma Posts and Telecommunications (ミャンマー国営郵便・電気通信事業体:MPT)が割当を受けた周波数を使用し、自ら基地局を開設して移動体通信事業者として携帯通信事業を展開している。
また、Myanmar Economic Corporationは子会社のStar Highを通じてNationwide Telecommunications Licenceを取得して移動体通信事業者として携帯通信事業を展開するTelecom International Myanmarに参画し、Telecom International Myanmarの運営に大きな影響力を有する。
Myanmar Economic CorporationはMECTelとして小規模に携帯通信事業を展開しているが、Telecom International MyanmarはMytelとしてミャンマー全土で大規模に携帯通信事業を行う。
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