シャープの5GルータはFIH Mobileが開発協力、Chiun Maiが担当
- 2021年04月03日
- その他モバイル端末
SHARPが2020年に発売したモバイル無線LANルータおよびタブレットは英領ケイマン諸島のFIH Mobile (富智康集団)が開発で協力したことが分かった。
FIH Mobileは2020年12月31日に終了した12ヶ月間となる2020年通期の暫定業績を発表し、関係会社のSHARPに言及した。
2020年におけるFIH MobileとSHARPの協業に関して情報を公開しており、SHARPは引き続きFIH Mobileの主要な顧客で、2020年通期のFIH Mobileの売上高のうち顧客別では9.9%をSHARPが占める状況という。
また、SHARPは追加の事業機会を模索するために、FIH Mobileが保有する研究開発機能の協力を得てモバイル無線LANルータおよびタブレットなどの電子機器の提供を開始したと説明している。
SHARPが2020年に発売したモバイル無線LANルータは2019年に発売した製品と同等の製品を除くとNTT DOCOMO向けのWi-Fi STATION SH-52AとKDDIおよびOkinawa Cellular Telephone (沖縄セルラー電話)向けのSpeed Wi-Fi 5G X01 (SHR01)が存在し、いずれも第5世代移動通信システム(5G)のNR方式による高速通信を利用できる。
ほかに2020年に発売したタブレットとしてはNTT DOCOMO向けのdtab d-41AとSHARPが法人向けに提供するSH-T01が存在する。
そのため、FIH Mobileが言及した製品はWi-Fi STATION SH-52A、Speed Wi-Fi 5G X01 (SHR01)、dtab d-41A、SH-T01のことであると思われる。
FIH Mobileは傘下の事業会社を統括する持株会社で、FIH Mobileの子会社でスマートフォン、モバイル無線LANルータ、タブレットなどの携帯端末の設計や開発を行う事業会社としては台湾のChiun Mai Communication Systems (群邁通訊)が存在するため、実際の設計や開発はChiun Mai Communication Systemsが協力したと考えられる。
Chiun Mai Communication Systemsは登記上の本店所在地が台湾の新北市土城区で、FIH Mobileの親会社で台湾のHon Hai Precision Industry (鴻海精密工業)の本社および関係会社の拠点が集中する土城工業区内に本社が所在する。
2019年12月31日時点でFIH MobileによるChiun Mai Communication Systemsに対する株式の持分比率は86.82%で、詳細にはFIH Mobileの完全子会社で英領ケイマン諸島のExecustar Internationalの完全子会社でサモアのTransworld Holdingsが85.54%、Transworld Holdingsの完全子会社で台湾のTRANSWORLD COMMUNICATION SYSTEMS (吉思通訊)が1.28%であるため、合計では86.82%となる。
なお、FIH MobileおよびSHARPはいずれもHon Hai Precision Industryのグループである。
Hon Hai Precision IndustryはFIH Mobileを子会社、SHARPを関連会社と位置付けている。
参考までに2019年12月31日時点でFIH Mobileに対する持分比率は完全子会社で英領ケイマン諸島のFoxconn (Far East)を通じて61.88%、SHARPに対する持分比率はHon Hai Precision Industryの関係者や関係会社を含めて合計で41.74%となっている。
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