楽天モバイルのRakuten BIG sはCoolpad製、Coolpad初の日本向けスマホ
- 2021年04月21日
- Rakuten-総合
Rakuten Mobile (楽天モバイル)が発売したスマートフォン「Rakuten BIG s (3917JR)」はCoolpadとして事業を行う中国のYulong Computer Telecommunication Scientific (Shenzhen) (宇龍計算機通信科技(深圳))が製造を担当した。
Rakuten Mobileは2021年4月21日にRakuten BIG sの販売を開始しており、発売と同時にRakuten BIG sの取扱説明書を公開している。
Rakuten BIG sの取扱説明書には製造元がYulong Computer Telecommunication Scientific (Shenzhen)、輸入元がBaytec Japanと記載されている。
各種認証機関で公開された情報からRakuten BIG sの製造元がYulong Computer Telecommunication Scientific (Shenzhen)であることは2020年11月に判明していたが、発売に伴い公式に製造元を確認できる。
Yulong Computer Telecommunication Scientific (Shenzhen)は英領ケイマン諸島のCoolpad Groupの完全子会社である。
Coolpad Groupの完全子会社であるDIGITAL TECHおよびYULONG INFOTECHが直接的にYulong Computer Telecommunication Scientific (Shenzhen)の株式を保有しており、持分比率はDIGITAL TECHが52%、YULONG INFOTECHが48%となっている。
1993年4月29日に設立されており、中国の広東省深圳市南山区に本社が所在する。
Coolpad Groupの中心的な事業会社で、スマートフォンをはじめとした携帯端末の企画、設計開発、製造、販売などを行う。
Coolpadの商標を利用して携帯端末を展開するほか、移動体通信事業者(MNO)などが展開する携帯端末の受託製造も行い、Rakuten BIG sの場合は受託製造となる。
過去に英国のVodafone Groupや米国の移動体通信事業者であるT-Mobile USAが展開するスマートフォンの受託製造を担当した実績もある。
Yulong Computer Telecommunication Scientific (Shenzhen)は輝かしい実績を保有しており、2004年には世界で初めて第2世代移動通信システム(2G)のGSM方式でデュアルSIMに対応した携帯端末を製品化、2005年には世界で初めてGSM方式と第3世代移動通信システム(3G)のCDMA2000方式のデュアルモードに対応した携帯端末を製品化、2011年には世界で初めて3GのW-CDMA方式のデュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)に対応した携帯端末を製品化したほか、中国では第4世代移動通信システム(4G)のLTE (TDD)方式に対応した携帯端末も早期に製品化し、中国政府よりデュアルSIMやLTE (TDD)方式の技術開発や普及に貢献したとして表彰も受けた。
ただ、近年は携帯端末の販売台数が減少し、主力事業である携帯端末事業の不振に伴い業績も低迷している。
China Wireless Technologiesの時代も含めてCoolpad Groupの通期業績は2002年から2015年までは2008年を除いて黒字を確保していたが、2016年から2020年までは2019年を除いて赤字を記録する状況となっている。
なお、2002年6月11日に持株会社としてChina Wireless Technologiesを設立し、2013年11月29日に社名をCoolpad Groupに変更した。
業績の悪化を受けて2016年の年次報告書の発表には大幅な遅れが発生し、2017年3月31日の9時(香港時間)から2019年7月18日まで香港交易所でCoolpad Groupの株式は取引停止となった。
2018年8月1日の上場廃止に関する新規則の効力発生後に12ヶ月以上も継続して取引停止となれば、香港交易所は上場廃止を勧告できるが、Coolpad Groupはその基準を満たす寸前となっていた。
Rakuten BIG sは第5世代移動通信システム(5G)のNR方式に対応しており、サブ6GHz帯に加えてミリ波(mmWave)の周波数も利用できる。
Coolpad Groupは2020年通期の業績報告を通じて製品名や顧客を言及せずに日本向けにミリ波の5Gに対応したスマートフォンを準備中と公表していたが、Rakuten BIG sのことで確定した。
過去に日本向けの携帯端末を製造した実績はなく、Rakuten BIG sがCoolpad GroupおよびYulong Computer Telecommunication Scientific (Shenzhen)にとって最初の日本向け携帯端末となる。
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