タイのAISが2021年Q1の業績を発表、5G加入件数が判明
- 2021年05月02日
- 海外携帯電話
タイのAdvanced Info Service (AIS)は2021年第1四半期の業績を発表した。
2021年3月31日に終了した3ヶ月間となる2021年第1四半期の連結売上高は前年同期比7.0%増の458億6,100万タイバーツ(約1,609億4,849万円)、所有者に帰属する当期純利益は前年同期比1.7%減の66億4,400万タイバーツ(約233億1,702万円)となった。
業績の発表に伴い事業別の業績も公表している。
携帯通信関連事業の売上高が判明しており、携帯通信サービス事業は前年同期比3.2%減の293億5,100万タイバーツ(約1,030億2,123万円)、携帯端末およびSIMカード販売事業が前年同期比49.8%増の96億8,600万タイバーツ(約339億9,287万円)である。
それぞれ全体の64.0%と21.1%を占めており、携帯通信関連の事業は合計で85.1%を占める結果となった。
Advanced Info Serviceの業績報告における事業区分を基準とすると、携帯通信サービス事業がAdvanced Info Serviceにとって最大規模の事業となっている。
携帯通信サービス事業はタイで移動体通信事業者(MNO)として提供する携帯通信サービスが中心で、Advanced Info Serviceの子会社でタイの移動体通信事業者であるAdvanced Wireless Network (AWN)が事業会社として機能する。
携帯通信を含めた電気通信事業の免許や周波数の免許はAdvanced Wireless Networkが免許人となる。
Advanced Wireless Networkは加入件数を基準にタイで最大手の移動体通信事業者で、社名の略称はAWNであるが、Advanced Wireless Networkを含めてグループ全体で親会社の略称に由来するAISの商標を使用している。
Advanced Wireless Networkに対するAdvanced Info Serviceの持分比率は99.99%となっている。
業績の発表に伴い2021年3月31日時点の事業データも判明している。
携帯通信サービスの加入件数は前年同期比3.9%増の42,767,100件で、このうちポストペイド回線が前年同期比16.3%増の10,634,800件で24.9%、プリペイド回線が前年同期比0.4%増の32,132,300件で75.1%を占めた。
第5世代移動通信システム(5G)の加入件数は719,000件となり、5Gの加入件数は全体の1.7%にとどまる。
2021年12月末までに5Gの加入件数を100万件まで増加させる目標を掲げており、目標の達成には順調な数値と説明している。
なお、5Gの加入件数は5Gを利用できるパッケージに加入した回線数を示し、5Gに対応した携帯端末を使用していない場合でも加入できる。
そのため、5Gを使用していない回線も5Gの加入件数に含まれる。
データ通信の加入率は前年同期比5ポイント増の70%で、第4世代移動通信システム(4G)に対応した携帯端末の普及率は前年同期比4ポイント増の79%となった。
タイバーツ(THB)ベースのARPUはポストペイド回線が前年同期比8.6%減の480タイバーツ(約1,685円)、プリペイド回線が前年同期比7.6%減の150タイバーツ(約527円)、総合が前年同期比4.2%減の232タイバーツ(約814円)である。
5Gに加入した回線のARPUは600タイバーツ(約2,106円)を上回る状況であるため、ARPUが低下する中で5Gの普及に伴うARPUの上昇が期待される。
1回線当たり月間平均データ通信量はポストペイド回線が前年同期比32.9%増の22.6GB、プリペイド回線が前年同期比18.1%増の16.3GB、合計が前年同期比23.8%増の18.2GBで、データ通信量は増加傾向となっている。
第3世代移動通信システム(3G)の基地局数は前年同期比4.3%増の48,800局、4Gの基地局数は前年同期比13.4%増の109,000局となった。
Advanced Wireless Networkは第2世代移動通信システム(2G)としてGSM方式、3GとしてW-CDMA方式、4GとしてLTE方式、5GとしてNR方式を導入および運用している。
5Gは2020年3月2日に商用化しており、タイでは最初に5Gを商用化した移動体通信事業者となった。
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