Telstraと豪州政府がDigicelの大洋州事業を買収、フィジーやナウルなど対象
- 2021年10月25日
- 海外携帯電話
豪州(オーストラリア)の移動体通信事業者(MNO)であるTelstraは豪州政府と協力してジャマイカを拠点とする英領バミューダ諸島のDigicel Group Holdingsから同社の完全子会社で英領バミューダ諸島のDigicel Pacificを買収することで当事者間で合意に達したと発表した。
Telstraおよび豪州政府はDigicel Pacificを16億米ドル(約1,818億1,680万円)で取得する予定である。
16億米ドルのうち約16.9%に相当する2億7,000万米ドル(約306億8,213万円)をTelstra、残りの約83.1%に相当する13億3,000万米ドル(約1,511億3,522万円)を豪州政府が拠出する。
Digicel Pacificの取得には豪州政府が大半を負担するが、Digicel Pacificの普通株式の全部をTelstraが取得および保有し、Digicel Pacificの事業はTelstraが保有および運営することになる。
Digicel Pacificはフィジーを拠点としてDigicel Group Holdingsの大洋州(オセアニア)における事業を統括する持株会社で、子会社を通じてフィジー、ナウル、パプアニューギニア、サモア、トンガ、バヌアツの6ヶ国で移動体通信事業者として携帯通信事業を展開している。
Telstraはフィジー、ナウル、パプアニューギニア、サモア、トンガ、バヌアツすべての携帯通信事業を取得の対象としており、6ヶ国の合計で従業員は約1,700人、加入件数は約250万件に達する。
6ヶ国ともDigicelの商標を使用して携帯通信事業を展開し、Telstraが取得後も変更はないという。
フィジーではDigicel (Fiji)、ナウルではDigicel (Nauru)、パプアニューギニアではDigicel (PNG)、サモアではDigicel (Samoa)、トンガではDigicel (Tonga)、バヌアツではDigicel (Vanuatu)が事業会社となる。
Digicel Pacificによる持分比率はフィジー、パプアニューギニア、トンガ、バヌアツの事業会社が100%で、ナウルおよびサモアの事業会社が80%である。
フィジーでは2社の移動体通信事業者のうち加入件数は2位にとどまるが、ナウル、パプアニューギニア、サモア、トンガ、バヌアツの5ヶ国では加入件数は1位となっている。
ただ、ナウルでは同国で唯一の移動体通信事業者がDigicel (Nauru)であることに留意しておきたい。
各国の政府および規制当局の承認を前提として、Telstraは2022年第1四半期にDigicel Pacificの取得を完了する予定である。
スポンサーリンク